骨盤の歪みを理解してリスティングに沿った矯正を学ぶ 「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」 講師 大竹城久 D.C.(目白ファミリーカイロプラクティック代表)
■カイロプラクティックとの出会い
カイロプラクティックを学ぼうと思ったきっかけは、大川泰先生との出会いです。20年近く前になりますが、当時はかなり自分の腰が悪く、東京でどこかよい治療院がないものかと探していることがありました。
ある方から「米国で資格を取ってこられた大川先生が五反田でカイロプラクティックセンターを開業されている」と聞き、通ってみることにしました。その中で次第にカイロプラクティックに興味を持つようになり「腰痛が治るんであれば!」と、大川先生が立ち上げた大川カイロプラクティック専門学院に第1期生として入学しました。
■一念発起して渡米、パーマー大学へ
大川学院を卒業した後はいろいろな道を考えたのですが「カイロプラクティックを極めてみたい!」という気持ちが強くなり、2005年に渡米してパーマー大学に入学することにしました。
2009年6月にパーマー大学を卒業し国家資格を取得。その後は米国で、セミナーなどでたびたび来日されることもある岡井先生が経営されているクリニックでお世話になり、2011年10月に帰国。同年12月に都内で目白ファミリーカイロプラクティック開業し現在に至ります。
■「骨盤矯正」をテーマに決めた理由
今日は「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」というタイトルをつけさせていただきました。このテーマに決めた理由をお話します。
日本カイロプラクティック医学協会からセミナー開催の話を頂いた時に、まず考えたのは「僕がここで何が出来るのかな」ということです。皆が知らないことを少しでも伝えられればよいのではないか、との結論に達し、クライアントさんからのニーズも多い「骨盤矯正」という形でやらせていただくことにしました。
■米国で学んだ骨盤矯正
パーマー大学ではPelvicという骨盤の授業があります。私がどのような内容を学んできたのか、まずは簡単に紹介します。内容は主に3つに分かれています。
・ガンステッド
・トンプソン(トムソン)
・ディバーシファイド
ガンステッドは側臥位での矯正法です。トンプソン(トムソン)はドロップテーブルという特殊な専用のテーブルを使い腹臥位で矯正します。ディバーシファイドは側臥位の矯正法もあるのですが、パーマー大学では腹臥位でおこなう方法を習いました。
今日のセミナーで側臥位の矯正法を取り上げたいと思います。つまりガンステッドの考えに基づいた矯正法です。リスティングに基づいて考えていきましょう。
■ガンステッドリスティング
セミナーのテーマは「骨盤のリスティングを理解し、リスティングに沿った側臥位矯正法を学ぶ」ですので、最初にリスティングについてお話します。
リスティングとは、骨の変位の方向をアルファベットの略語で表現したカイロプラクティック用語です。いくつか流派がありますが、一般的によく使われるリスティングは「ガンステッドリスティング」です。有名といいますか、カイロプラクティックをやっている人ならばたいていは知っているリスティングです。
これはガンステッドテクニックをとらなくても知っていて損はありません。今日はまずこのリスティングを理解して頂きたいと思っています。
■骨盤の変位とは
リスティングを考える上で、骨の変位という言葉が出てきます。仙腸関節については「動く」「動かない」という議論がありますが、カイロプラクティックでは「動く」と考えています。
ここで注意点ですが、英語で骨盤のことをpelvicと言います。腸骨が ilium なのですが、私が腸骨と言った時は、日本語の寛骨と同じ意味で使っていると思って下さい。
変位の考え方ですが、腸骨(寛骨)は、仙骨に対して動きます。仙骨は、腸骨(寛骨)に対して動きます。これがまずベースになります。
■シンプルリスティング(Simple Listing)
次にリスティングの種類についてです。まず基本的なリスティングをシンプルリスティング(Simple Listing)と言います。これはこのまま憶えてください。
PI (Posterior Inferior)= 後下方
寛骨がPSISを基準として後下方に下がります。
AS (Anterior Superior)=上前方
寛骨がPSISを基準として上前方に動きます。
EX (External)=外方
寛骨がPSISを基準として外側に動きます。
IN (Internal)= 内方
寛骨がPSISを基準として内側に動きます。
■コンパウンドリスティング(Compound Listing)
コンパウンドリスティング(Compound Listing)というシンプルリスティングを組み合わせたリスティングもあります。今日は説明はしますが、矯正のセットアップは扱いません。
PI + IN = PIIN
寛骨がPSISを基準として後方に下がりながら内側に入ります。
PI + EX = PIEX
寛骨がPSISを基準として後方に下がりながら外側に開きます。
AS + IN = ASIN
寛骨がPSISを基準として上前方に動きながら内側に入ります。
AS + EX = ASEX
寛骨がPSISを基準として上前方に動きながら外側にも開きます。
■参加された皆様の感想
- リスティングを勉強していこうと思いました。
- セミナーに出られてよかったです。とても勉強になりましたが難しかったです。骨盤ケアはテーマです。これから熟知できたらと思います。本日はありがとうございました。
- 浮腫の感覚など触ってもすぐにはなかなか難しい部分はありましたがここまで細かくリスティングを勉強できてよかったです。
- むずかしかったけどわかりやすかったです。またセミナーをやってほしいです。ありがとうございました!
- 実技中心で大変ためになりました。
- ありがとうございました。役に立つと感じております。