2024年11月4日セミナー開催報告

ヨガと潜在意識で心と体を繋げる痛みケア
変形性膝関節症を手技とセルフケアで2万歩以上歩ける体へ
講師 松居ゆう子先生(美容整体マイプレシャスボディ

■主な内容


(1)ヨガの基礎を学ぶ
◎ヨガの歴史・哲学
◎ヨガとの出会い(インド訪問)
◎ストレッチ・ピラティスとの違い
◎なぜどんな手技をしても治らないのか?
◎潜在意識と顕在意識
◎ワーク
・セルフ整体と呼吸法
・瞑想
・代表的なヨガのポーズ(整体師目線で体への作用を解説)

(2)整体とヨガをミックスさせた症状対応
◎「変形性膝関節症」のケア
・講師の77歳の母親が、膝の痛みで歩けなかった状態から、2万歩以上歩けるようになるまでの実例を紹介。現在82歳で、シルバー人材派遣で働き、何時間もしゃがんで草むしりができるまで回復したケースです。

セミナーのテーマは前半が「ヨガの基礎」。後半は「整体とヨガをミックスさせた症状対応 変形性膝関節症のケア」について。
ヨガはサンスクリット語で「繋がり」と言う意味。心と体、魂が繋がっている状態を指す。その他、ヨガの歴史や哲学、各流派の違いなどを学んだ。
潜在意識と顕在意識について、体験談も交えて解説。現実世界における潜在意識の影響は大きいが、ヨガを深めることで 潜在意識は良い方向へ導かれやすくなる、という。
第3のチャクラを解説。チャクラは、サンスクリット語で「車輪」「回る」という意味。エネルギーポイントのことであり、私たちの体には、背骨に沿って7つのチャクラが存在するとされている。
ワークとして「チャクラ瞑想」を実施
瞑想をおこなうことで、不眠解消、睡眠の質向上、ストレスや不安の改善、集中力アップ、感情コントロール力の向上、認知症予防などの効果が期待できる。
背中に呼吸を入れる呼吸法のワーク。松居先生が参加者の皆さんをまわり出来ているか直接チェック。
セルフ整体で左右の肋骨の広がりやすさを確認。左右差がある方は多い。
日常生活で使われにくい前鋸筋。この前鋸筋を鍛えると姿勢が改善する。前鋸筋は意識して動かすのが難しい筋だが、トレーニングによって動かせるようになる。画像は松居先生の前鋸筋の動きを、直接触れて確認しているところ。
後半のテーマは「変形性膝関節症」。進行性で、加齢と共に悪化するのが避けられないとされる「変形性膝関節症」も、整体と地道なセルフケアの継続で改善が期待できる。3年前よりも状態がよくなったお母様の症例を紹介。
膝痛の改善で重要となる足。「あなたの足、どうなっていますか?」と題してセルフチェックを各自おこなった。
足指が使えるかをチェック。MP関節が十分屈曲することで、足底の筋を最大限使うことができる。膝関節症への対応は、このような足の機能回復、姿勢を整える、使い過ぎの筋を緩め、使われていない筋をトレーニングで目覚めさせる、歩行バランスの改善など、状態に応じて臨機応変に組み合わせておこなう。

■参加された皆さんの声


  • 4時間のセミナーの間、先生はずっとエネルギッシュで、こちらも疲れることなく、あっという間でした。とても楽しかったです!
  • 足の小指が寝ているのを直すことで足が真っ直ぐに立てる感じがわかりました!地道にセルフケアをしていきます。
  • 「自分の身体は自分で治す」。そう思える人が増えたらいいなと思いました。ありがとうございました。
  • ヨガとは、只ポーズをとるものではなく、いろいろな理論など奥深いもので、また、いくつか流派があることも初めて知りました。
  • 体を動かしてみると全く使えていないことに気付かされ、少し悔しい気持ちになりました。まずは今日教わったことをやってみます。ありがとうございました。
  • 座学だけでなくワーク等もあり、とてもわかりやすい講座でした。資料にそって話をされていたので後で見直しもしやすいです。有意義な時間を過ごすことができました。
  • 足指の使い方、トレーニング法が知れてよかったです。毎日頑張ります。
  • 実技、体験の時間が多く理解しやすかった。講師に直接触れてもらって確認できたり、逆に触れさせてもらうことで筋肉の動き、力加減がわかって理解しやすかった。
  • 呼吸法、セルフ整体を重視して教えているので大変勉強になりました。特に足、膝について細かく学べたので助かりました。

2024年7月15日セミナー開催報告

■ダイジェスト動画(1)【約31分】


●今日おこなう内容について(02:20)
●「手術は成功したけど症状が再発した」(02:40)
●上肢にはどんな症状があるか?(03:16)
●手根管症候群の解説(05:16)
●バネ指、肘部管症候群の解説(06:43)
●パンパンに腫れ上がっていた母の手首の症例(07:52)
●微弱圧神経緩和法の価値(10:26)
●両手の手根管症候群が治癒した事例(11:44)
●どんな方が痛めやすいか(14:24)
●暴飲暴食と痛みとの関係(16:34)
●体に無理のない握り方(17:08)
●心理的な傾向(21:22)
●頚椎症についての研究論文(23:14)。
●加齢によるホルモン分泌の変化(29:02)

■ダイジェスト動画(2)【約16分】



●肩・頸部の可動テスト(00:01)
●体幹安定チェック(00:33)
●背臥位/手首の実技 練習1(00:53)
●手首の可動チェック(01:18)
●手根骨波動モビリゼーション(02:10)
●手根骨の復習(02:55)
●手の内在筋の復習(04:30)
●骨間筋を緩める(06:24)
●前腕の筋を左巻き刺激で緩める(08:08)
●手根部スラスト(10:40)
●肘部スラスト(11:54)
●肩関節スラスト(12:11)
●筋を左巻き刺激で緩める
三角筋(13:15)
上腕三頭筋(13:46)
烏口腕筋(14:01)
前鋸筋(14:26)
大胸筋・鎖骨下筋・小胸筋(14:51)
広背筋(15:45)

整体院で対応する可能性がある上肢の症状は?
「痛みの悪循環」から抜けるためにはどうすればよいか。湿布や鎮痛消炎剤の効果的な使い方や、痛みで辛い思いをかかえているクライアントさん対応の心構えを解説。
母指と示指の強い握り込みが腕のトラブルをまねくことがある。体の負担にならない物の握り方とは?古武術を参考にした改善策を実演。
PCのキーボード使用時の長時間の力みも肩こりの原因となる。手の豆状骨を軽く意識してタイピングすると力みは少なくなる。これも古武術からの応用。
一連の施術の流れを実演。肩の動作チェックをおこなっているところ。
よく使う三角筋は過緊張を起こしやすい。三角筋を「左回し」施術でゆるめているところ。

■参加された皆さんの声


  • 手技の感覚を体感できて良かったです。古武術関連のセミナーを受けたいです。ありがとうございます。
  • 実際に施術してもらって効果や受けた感覚が体感できたので、すぐ実践しようと思いました。
  • 施術する箇所と触り方、圧の強さなど細かく教えてもらえたのでわかりやすかった。
  • 関節へのアプローチ、モビリゼーションとしてこういう動かし方もあるのだと参考になりました。復習して整理し取り入れていきたい。
  • 大事なセミナー何回でも受けたいです。とてもわかりやすかった。

2024年2月12日セミナー開催報告

特別講座第3弾!
具体的な症状の”実践力”を身につける!
「今までの総復習と今回は下肢の冷え・むくみも追加!」
 講師 三浦良泰先生(街のカイロプラクティックグループ代表)

■主な内容


◎四十・五十肩の手技療法
◎椎間板ヘルニアの手技療法発生機序と対応確認。バックストレッチの復習。
◎ストレートネックの手技療法ポンピング療法の練習
◎猫背の手技療法矯正”拮抗筋”のトリガーポイントを使ったモビライゼーション療法
◎下肢の冷え・むくみの手技療法

四十・五十肩対応から講義開始。「絶対に伝えなければいけない、3つの項目」を解説。
四十・五十肩対応の手技「肩部回旋」を実演。
練習している皆さんのところを三浦先生が順番にまわり、必要なアドバイスをおこないます。
ストレートネックへの対応。ポンピング療法で本来の頸椎のカーブに戻していきます。
椎間板ヘルニア対応のローリング・バック・ストレッチ。慢性腰痛にも効果抜群!反復練習で身に着けていきます。
後半は下肢の冷えやむくみ、痛み等の対応。OA(変形性膝関節症)で狙うべきポイントを解説しているところ。
三浦先生が手の当て方や圧の強さなどを見回ってチェック。
股関節痛の対応として腸腰筋ストレッチを実演するところ。
膝の痛み対応では、内側広筋の硬結をリリースすることも有効。この後、側臥位でおこなう変法も解説。
膝が痛む方は内転筋群の柔軟性が低下していることが多い。内転筋群ストレッチを練習しているところ。
下肢の冷え・むくみ対応の手技を実演。筋ポンプ作用で血液循環を促進する。

■参加された皆さんの声


  • 有効な手技と、なぜその手技が必要かをわかりやすく教えてくださりありがとうございました。明日から施術に取り入れていきたいと思います。
  • 説明がわかりやすくて面白く、非常に頭に残りやすかったです。理解が進んで勉強になりました。また受けてみたいです。
  • 楽しい1日でした。手技を体験して体が軽くなって気持ちがいいです。沢山のことを教わりましたので自分の仕事に活かしていきます。またよろしくお願いいたします。
  • 授業のよい復習になり、気づきも沢山ありました。またよろしくお願いします。
  • 初回と今回しか受講できませんでしたが、また受講してみたいと思います。是非、別のテーマでも開催をお願いします。
  • 自分のものにできるよう復習していきたいと思います。
  • 先生の手技を実際に受けたことで適正な圧の強さがわかりました。実技の習得はオンラインだけでは難しいとあらためて感じました。
  • 次回も楽しみにしています。必ず来てください。アンコール!

2023年10月09日セミナー開催報告

症状専門 特別講座 第2弾!
厄介な症状対応で”実践力”を身につける!
前回(3/21)の復習 プラス
新・股関節、膝痛、下肢のむくみの対応

講師 三浦良泰先生(街のカイロプラクティックグループ代表)

■内容


◎  厄介な症状である四十・五十肩の手技をする前に絶対に伝えておかなければいけない3つの項目と手技の定着
◎  ヘルニアの発生機序と対応確認。バックストレッチの復習。

◎  ストレートネックのポンピング療法の練習
◎  猫背矯正”拮抗筋”のトリガーポイントを使ったモビライゼーション療法
◎  新・下半身手技「股関節痛・膝痛」の実践手技

「病院で四十肩と診断され痛み止めの薬と塗りシップをしています。寝ている時かなり辛いです。ここでみてもらえますか?」 「過去にヘルニアと診断されました。腰がまた痛くなってきましたがどうしたらいいですか?」 「首が痛くてレントゲンを撮ったらストレートネックと言われました。腕まで痛みやシビレが広がってきました。ここで施術してもらえば楽になりますか?」 整体院には様々な症状のクライアントさんが来られますが、このように質問されたら、皆さんはどう答え、対応しますか? 前回3月に学んだ内容を、一つ一つ、再度確認していきました。
肩の関節面はとても浅く、他の関節に比べ大きな可動域を持ちます。反面、不安定で、脱臼などのトラブルをおこしやすくなります。この弱点を補うのが、肩の周りを取り囲む棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、いわゆるローテーターカフ(回旋筋腱板)と、上腕二頭筋長頭腱です。肩に強度を与えます。それでも、肩がよく良く動く分、ローテーターカフ(回旋筋腱板)や上腕二頭筋長頭腱も傷つきやすくなります。また、白い組織である腱は血液が通っていないため、年齢と共に強度が低下し、様々な肩のトラブル発生のきっかけともなります。画像は上腕二頭筋長頭腱の触診練習をしているところです。
浅い関節窩を補うローテーターカフ(回旋筋腱板)や上腕二頭筋長頭腱に慢性的な顕微損傷(肉眼ではわからない位の小さな怪我)が繰り返し起きていると「四十・五十肩」を発症しやすくなります。「四十・五十肩」は肩の痛みと関節拘縮が特徴で、その年齢に好発するため通称としてそう呼ばれています。「四十・五十肩」の手技をする前にクライアントさんに絶対に伝えておかなければいけない3つの項目を復習した後、可動域を回復する手技を練習しました。
「肩が痛くて仰向けになれない」というクライアントさんも中にはおられます。どんな体勢でも手技ができること、対応できることは武器になります。画像は棘上筋を狙った手技を練習しているところ。
肩の後面にある棘下筋、小円筋もトリガーポイントが発生しやすく、それが肩の痛みの原因となっていることがあります。肩を動かしながら母指でトリガーポイントをリリース(解除)しているところ。
腰が痛い場合、特にそれが急性の時は「筋肉のほぐし」はあまりしない方がよいです。筋肉は腰を動かさないよう守るためにわざと硬く緊張しています。これを凝っていると勘違いしてほぐしてしまうと逆に動けなくなります。ではどうするか! 三浦先生が院でおこなっている、沢山の成果をあげてきた方法を解説。
メモを取りながら集中して講義を受講する皆さん
ローリングバックストレッチ(RBS)を練習。一人一人見回る三浦先生。
「三浦式 キャット体操」「オットセイ体操」も練習。いずれも椎間板内の髄核の動きを考えたアプローチです。
現代はPCが普及、デスクワークの増加により、頭が前に出て、背中、腰が丸まる「スラウチ姿勢」をとる時間が長くなっています。この姿勢が続くと、頸椎のS字カーブは減少。さらに下を向く作業が増えるとストレートネックになっていきます。画像は頚椎の椎間板の状態(髄核の後方移動の有無)を確認しているところ。
セミナーの後半は「股関節と膝関節のトラブル」について解説。手技は滑液の産生を促進すると同時に軟部組織の柔軟性を維持するためにおこなう。
腸骨筋をターゲットに背臥位で施術。 腸骨筋の付着部であるAIISの内側に母指コンタクト。下肢を他動的に動かしながら緩めていく。
押圧部位は正確に捉えることが重要。クライアントさんの下肢が重く感じる場合は、術者の大腿を台として上手く使い、楽に手技をおこなう。

■参加された皆様の感想


・本日はありがとうございました。RBS(ローリング・バック・ストレッチ)や大胸筋へのアプローチなど、前回のセミナーの際に教えていただいてからよく使わせて頂いていました。今日、復習として実演してもらい、より理解が深まりました。また是非、三浦先生のセミナーがあればお邪魔したいと思います。本日は実りの多い内容を多く詰め込んでいただきありがとうございました。また宜しくお願いします。
・和気あいあいとした雰囲気で楽しく学べました。クライアントさんの将来の体のトラブルを防ぐ有効な方法と思いました。日々の施術に活かしていきたいと思います。
・背骨のナチュラルアーチの大切さを実感。姿勢の歪みを放置することで「元の形に戻れなくなるのが怖い」、その通りだと思いました。
・三浦先生の教えが全国に広がればと思います。面白くためになる授業、また受講したいです。ありがとうございました。
・今日はありがとうございました。授業でやっていること+αで深掘りできてよかったです。手技もどんどん使っていきたいと思います!
・今日は新しく発見できた授業でした!ありがとうございました!
・大変勉強になりました。復習にもなりました。次回も参加したいと思っています。
・忙しかったけど楽しいしわかりやすい。また絶対来てください。

2023年7月17日セミナー開催報告

■私の腰痛・坐骨神経痛の経験


私は整体師になって19年目になります。中学2年生ぐらいからの腰痛持ちで、高校1年生の春にはぎっくり腰になりまして、それから坐骨神経痛になったんですね。
大学病院で保存療法を受けました。鍼灸治療も受けてまして、頭の先から足先まで、たくさん鍼を入れて。しばらくは緩むんですけど、また痛みを繰り返しまして。左脚は「火箸を差し込まれてグリグリやられているんじゃないか」という厳しい痛みでした。
病院に入院して、しばらく寝たきりで牽引を1週間程度やりましたけれども、症状が治まらないので手術ということになりました。もう当時はひどかったですね。手術後2ヶ月間ベッドに張り付けです。抑制帯で縛られて動かしちゃダメと。お盆を胸の上に置いて食事は鏡を見ながら食べるという。
脚はガリガリに痩せてそこからリハビリしました。そういう時代でした。今はね、日帰りの手術もありますから、そんなことはないと思います。
その後は無事回復しまして、大学生の時は4年間、大会の剣道部で活動するくらいの体力も戻っていたんですけど、社会人になってから、1年目でまた出張先で「ぎっくり腰」になりまして、病院に搬送されてブロック注射を打ちました。
社会人1年目で、手術から8年経過した頃にまた同じような痛みが出てきたということです。病院で治療して今回のように同じことになったら嫌だなと思ったので、その時は病院には行かず、本屋に行っていろいろ読みあさってですね「世の中には整体っていうものがあるんだ」と知りました。
仙台駅前の整体院でしたけども、その時整体に行って確か10回ぐらい良くなったんですよね。20代前半の頃です。まあ、そんなこんながあっての今の私でございます。
今日は午前中座学ですが、体の使い方が大事なので、午前中の内に座り方、立ち方、歩き方をやり、皆さんの患者さん教育に役立てていただきたいと思います。午後の2時間は手技の練習を中心にやりたいと考えていますので、よろしくお願いします。

若い頃の腰痛・坐骨神経痛で苦しんだ経験を話す村井先生

■手術が必要と言われた方でも


ということで内容に入っていきますが、端的に行っていろいろ苦労したんですけれども、最近は自信を持って対応できるようになりましたので、それを皆さんにお伝えできたらといいなと思っています。
私も未熟なところはありますので「ここは違うんじゃない」「もっとこうした方がいいんじゃないの」というご意見がありましたら、皆さんから積極的にいただいて、本当にパーフェクトのものにできるといいなと。
対応が難しくなってくるのは、手術が必要とされている、働き盛りから高齢者の方です。でも40から50代の方で、お医者様から「すべり症です」「分離症です」「狭窄症です」「手術が必要です」との診断を受けた方、なんと整体で対応したらクリアできたりするんですね。どうやって症状を消失させたのか、また、なぜ楽になったのかっていうことを皆さんにお伝えしていきたいと思います。

■坐骨神経痛の事例紹介


実際、私が無我夢中でやったこと「何で結果が出たんだろう」って後からね、検証したようなことでもありますけども、裏付けとなる知識も加えて少しでもお伝えできたらいいなと思います。
坐骨神経痛の患者さんの例、いくつか書いていますけれども、バッテンがあるのがうまくいかなかった人。そうじゃない下から2つは「手術必要だよ」って言われた方なんですが「整体でよくなっちゃいました」というケースです。このお2人を中心に事例紹介していきたいと思います。

■坐骨神経痛の原因は?


坐骨神経痛になりやすい方はどんな方か。体を酷使している方が多かったです。
中には華奢で運動不足などの方もおられるんですけど、症状が重かった方は皆、体を酷使していました。座り仕事で、もしくは体を使う仕事で、趣味で酷使している。オーバーワークでメンテナンス不足の頑張り屋さんが多かったと思います。
坐骨神経痛の原因は何でしょうか? 皆さんはどうお考えですか?
結論を先にいってしまうと「血流が足りてないから」。だから「酸素が供給できたらいいんだな」っていうところにたどり着くわけです。
これは別に私だけが言っているんじゃなくて、多くの研究者とかね、学者の先生もそう仰っています。神経生理学的に何かの圧迫で痛くなる、しびれるというよりは虚血状態。酸素が足りてない、栄養が足りてないから痛みやしびれが出ている、そう考えた方が妥当じゃないかっていうふうに言われています。
データに基づく話をすると、ある大学の研究チームが2000人以上を対象に脊柱の画像診断の結果を調べたそうです。そしたら脊柱や椎間板の変形、変性をもっている人が男性では8割、女性でも7割くらいもあったと。でも痛みがあるよっていう人は2、~3割だった。
内外の他の研究でも同じようなデータがあります。
ですから変形、変性があるから、それが即、痛みの原因ですよ、とは科学的には言い切ることはできませんという事実があるんです。ここまでよろしいでしょうか。

坐骨神経痛の原因について解説

■例えるなら凍結したバナナ


ちょっと視点を変えると、坐骨神経痛が出る人って体がガチガチに硬いじゃないですか。脚だけじゃないですね。腕も肩も首もガチガチになっています。
これは「ぎっくり腰セミナー」の時に使った画像なんですけど、私がよく説明しているのは「1本のバナナを考えてみてください」「あなたの体が1本のバナナだと思ってください」「フリーザーで凍結させたバナナだと思って下さい」「そんなバナナを曲げ伸ばししたら簡単にクラッシュしたりしますよね」「常温のバナナだったら多少曲げ伸ばししようとしてもなんともないですよね」という話をします。
施術しながらそういう話をすると「あ、それ納得感あります」と急性腰痛の方、坐骨神経痛の方はおっしゃってくださいますので、この例え話は使って頂いていいんじゃないかなと思います。イメージ沸きますかね?
でも、患者さんと対応する時「体が柔らかくなったらいいですよ」「血流が上がればいいですよ」とだけ言ってると「専門性が足りない」と思われることもありますので、多少はこう専門知識的なことを踏まえてヒアリングすることも大事だと思います。

■急性腰痛のガイドライン


「急性腰痛のガイドラインというのが学術的にはあって、赤信号、黄信号、青信号があるんですよ」と。骨折や悪性腫瘍、感染症、あるいは排便、排尿障害。便意はあるけど便が出ない、尿意があるけど尿が出ない。灼熱感があって焼けつくような痛み、ひりつくような痛み、そういったものがあると、手術が適用だったり、手術以外でも迅速な処置が必要な場合があります。
それからイエローフラッグ。不安感、恐怖心、重圧感、精神的ストレスが過剰に続いていると、なかなか回復が遅いと言われることがありますので「この辺はどうですかね」と。まあ、あんまり最初からいろいろ聞けない状況とは思いますが、これらを踏まえてお話する。こういう区別があることを知っている人が施術しているんだと伝わることが大事かなと思います。

■痛みは悪いもの?


「痛みの悪循環」の話です。何かストレスがかかると交感神経優位になって、筋肉は過剰に緊張して血流が悪くなるので、栄養、酸素がなくなります。そうすると、いろんな症状が出て、症状緩和修復のために炎症性の物質が発生します。
それは発痛物質を含んでいるので、また痛くて、その痛みがまたストレスになってさらに痛みが継続してしまいますっていうね。「こういう中にあなたはいるかもしれないですよ」という話を皆さんもきっとされていることと思います。
ところで「痛みって本当に悪いもんですか?」ともお話するようにしています。いろんな症状が出ますけど、基本的に損傷を修復するために免疫が働いていることですので、痛みというのは悪いことのように思われて鎮痛剤を使うことになりやすいんですが、それは本来は最悪な状態を脱出するためのもの。眠れないと回復が遅れますから、眠れるようにしてあげるなど。本質的に痛みは悪いことじゃなくて、体を回復する修復プロセスで、体がきちんと働いてくれてるということだから、そこは信頼した方がいいんだよっていうことも伝えてあげるのは大事だと思います
痛みが出ているのは、むしろ体の使い方とか考え方、生活習慣に無理があったんじゃないですか、それを見直すきっかけだという風に前向きに捉えましょうという話をしています。

■血流に注目


血流というと血管なわけですね。ヘルニアに注目せず、椎間板に注目せず、私は血管に注目してみました。
このホースを血管だと思ってください。大動脈はもっと太いですが、このような血管が体の奥を通ってるんです。大動脈は脊柱の前を通っています。
「腰痛体操はやめといた方がいいよ」っていう話もあります。「腰に意識が行き過ぎて、それで痛みが増すから」との理由ですが、それは全身のこわばり、凍結バナナの状態で体操するからうまくいかないわけであって、うまく緊張解除して動かしてあげたらいいんです。
体を曲げ伸ばしする時、例えば反らした時には血管がこう圧迫され細くなり、緩めて曲げると圧迫が解放されて血管は拡張する。圧迫、開放、圧迫、開放、これを繰り返すことで血流は回復しやすくなると思いませんか。この血管から枝分かれしている細い血管の血流量も上がる。実はそれが体操の効果なんじゃないかなというふうに思いました。
ストレッチって筋線維を伸ばすイメージがあるけど、ある本によれば、血管が引き伸ばされて細くなったり、撓んで太くなったりを繰り返すことで血流が上がることもストレッチの効果だよ、運動の効果だよと言われていて、それはそうなんじゃないかなと思っています。
だからマッケンジー体操やキャットエクササイズや有名な腰痛体操って、椎間板に作用している面ももちろんあると思いますけども、むしろ血管の収縮拡張を補助しているんじゃないかな、という風に考えました。

腰の痛みや神経痛が強い方は起き上がるのも大変。悪化させず、楽に介助する方法を実演する村井先生
後半は主に実技練習。脊柱を触診し歪みを確認
後頸部~仙骨テクニックを練習しているところ

■参加された皆さんの声


  • 坐骨神経痛についてもっと勉強しなければならないと思いました。これからもよろしくお願いします。
  • 久しぶりのセミナー参加でしたがとても有意義でした。
  • 体の使い方や考え方を今一度見直し、考え直すよい時間となりました。ありがとうございました。
  • 血管や神経などの説明が理にかなっていて、とても腑に落ちる講義でした。
  • 患者さんだけでなく施術者にも優しい技術なので是非取り入れて健全な体作りを心掛けたいと思います。
  • 色々と刺激になり施術の幅が広がるセミナーでした。
  • 自分の体を見直すきっかけにもなり大変勉強になりました。
  • 「治してやろう」というエゴを捨てることは大事だと共感しました。
  • 力を抜くことの大切さを感じました。姿勢と足についての内容が興味深かったです。

2023年3月21日セミナー開催報告

「四十・五十肩、椎間板ヘルニア、ストレートネックなど症状専門 特別講座 ~厄介な症状対応で”実践力”を身につける~」
 講師 三浦良泰先生(街のカイロプラクティックグループ代表)

■主な内容


◎四十・五十肩の病態解説・対応法(5つの手技)
◎椎間板ヘルニアには、ローリングストレッチ(座学・実技)
◎ストレートネック対応、ポンピングテクニック(座学・実技)
◎猫背・円背、フロントマッスルを狙え!(座学・実技)
◎座位・側臥位・仰臥位と幅広いアプローチで。

四十肩・五十肩 の症状について解説。
四十肩・五十肩 の症状について解説。 好発は40~60代。これといったきっかけなく(慢性的な顕微損傷は起きている)徐々に発症し、肩や肩甲部の痛み、運動制限が見られる。運動制限は挙上や内・外旋が顕著で、結帯、結髪動作が困難になる。痛みは寒冷時や夜間に強く感じる(夜間)。肩だけでなく上腕や 肘が痛いと放散痛を訴える場合も多い。
四十肩・五十肩の対応
四十肩・五十肩の対応では、病態を説明し、五十肩がどのような症状経過をたどるのか、施術を受けるとどうなるのか、受けないとどうなるか、双方で共有することが何より重要。説明、共有なしに手技をおこなってはならない。四十肩・五十肩対応の以下の手技「上腕二頭筋長頭腱(結節間溝)」「肩部回旋(アプロキシメーション)」「 PNF(内転・外転・挙上)」「 肩部モビライゼーション」を練習。
「上腕二頭筋長頭腱(結節間溝)」を触診
「上腕二頭筋長頭腱(結節間溝)」を触診練習
ローテーターカフ
肩関節へ手技をおこなう前にローテーターカフなどの筋肉の位置や作用を確認
側臥位の四十肩・五十肩対応
側臥位の四十肩・五十肩対応を練習。 どんな体勢でも対応できることは武器となる
PNFで等尺性筋収縮を使い可動域を広げていく
PNFで等尺性筋収縮を使い無理なく可動域を広げていく
椎間板内の髄核の動きを説明
腰の屈曲が続くとどうなるか、椎間板内の髄核の動きを説明
「ローリングバックストレッチ」(RBS)で調整
痛みのあるヘルニアの場合、患部の「筋肉のほぐし」はおこなわない。椎間板内の髄核へのアプローチ「ローリングバックストレッチ」(RBS)で調整する
腰を曲げる動作に伴う椎間板内の動き
腰を曲げる動作に伴う椎間板内の動きのイメージ図
椎間板内の髄核
頚椎も腰椎と同じように、生活内で屈曲動作が多いと椎間板内の髄核は後方に移動する
頚椎のテスト
ストレートネックがあると首が後ろに倒れなくなってしまう(伸展制限)。頚椎のテストを実演
頚部両側母指圧迫
腹臥位(うつぶせ)での頚部両側母指圧迫により頸椎を調整
キャットエクササイズ
キャットエクササイズは腰椎を伸展させる時も頸椎を反らせるのがポイント。首。腰は連動している

■参加された皆さんの声


  • 肩まわりの動かしながらの施術がとてもよかった。痛みの原因は首、背中、腰を丸めるから。心にとめておきます。ありがとうございました。
  • 講義の構成がよく感心しました。質問があった時はその内容を皆さんにわかるよう要約してから回答されますし、今日おこなったことを、最後にまとめてわかりやすくポイントで示して下さり、内容がより理解しやすくなりました。説明も聞き取りやすかったです。
  • 「反り腰」という言葉についてどことなく悪いものというイメージがありましたが、どういう機序で腰痛が発生するのかを分かりやすく教えていただき捉え方が変わりました。実践的で、かつ取り組みやすい内容でした。ありがとうございました!
  • 普段臨床の現場に立たれている先生ならではの参考になる話が多かったです。患者さんへの声掛け一つとっても、ただやみくもに「痛いですか」と聞くのではなく、「痛みの程度と質を聞く」こと。また、エクササイズはただ「やってください」と言うだけではほとんどの人はやらないという現実があり、ではどう声掛けしたらよいのかなど、明日からすぐ活かせるヒントが満載でした。
  • 明日から臨床で使える内容でした。通われている患者さんとコミュニケーションを取りながら使って見ようと思います。とても専門性の高い内容で、また三浦先生が講師をされる際には受講したいと思います。
  • 別のテーマでも是非、参加させていただきたいです。ありがとうございました。
  • 今日は大変実りの多いセミナーでした!また実施して欲しいです!
  • 明日の施術から即使える事も多くよかったです。ありがとうございました。
  • 伸展が良い事だとわかりました。早速教わった手技を使っていきます。細かく教えて頂きありがとうございました。かなり先生の本気が身にしみ、これからの施術が楽しみです。

2023年1月9日セミナー開催報告

施術の効果を最大限に高める!
姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
講師 成田 貴徳先生
(大川カイロプラクティックセンター千歳烏山整体院

■主な内容


・そもそも「正しい姿勢」って何?
・世界一座っている時間が長いのは実は○○人
・正しい姿勢だけ指導しても続けられない理由
・姿勢教育に興味を持ってもらえるコンテンツ作りのコツ
・姿勢分析4つの分類/ロードシス・カイホロードシス・スウェイバック・フラットバック
・4つの分類それぞれの改善エクササイズ

施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
成田先生は施術ではDRT(ダブルハンド・リコイル・テクニック)を使っている。DRTは、上原宏先生(お茶の水カイロプラクティック)が30年前に開発した手技で、両手で背骨を一つずつ押し揺らしして、ズレを調整していく。背骨を整えると脳からの神経の流れが正常化される。私たちが本来持っている自分で治す力「自然治癒力」が高められ、様々な症状が改善していく。成田先生はこのDRTをおこなうようになって「自然治癒力」の凄さにあらためて気が付いたという。
DRTをおこなうと「早くよくなる人」と「よくなるけど遅い人」が出て来る。中には「よくならない人」もいる。どうしてそれらの違いが出てくるのか。それは、体をよくしていくためには、どうしても、患者さんが自ら努力しなければならない部分が日常生活の中にあることが多いから。人によって食生活だったり、普段の姿勢のとり方であったりする。成田先生は姿勢に特に注目し、姿勢分析、姿勢指導を普段から施術に取り入れている。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
国民の有訴者率を調べると、男女とも「腰痛」「肩こり」が上位に入る。データによれば、生涯、腰痛を経験したことがある人は8割。その内の4人に1人が腰痛で仕事を休んだことがある。現在、日本の年間医療費は44兆円にまで膨らんでいる。姿勢改善で腰痛で悩む人が少なくなって病院にかかる人が減ることは国の医療費削減にもつながる。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
「正しい姿勢とは?」小学校や中学校で教わる機会も少なく、簡単そうで実はすぐに答えるのが難しい質問。姿勢について、セミナーではレジュメを使って理解を深めていった。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
姿勢を良くする上で重要なことは「体の仕組みを知ること」。姿勢が大切なのは背骨が大切だから。「背骨の働き」について復習。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
「座る」とどうしても骨盤は後ろに倒れやすくなる(骨盤の後傾)。腰も丸まり腰痛の原因となりやすい。骨盤の形状をみると、座るのに適していない不安定な形になっている。坐位でよい姿勢を保つには、様々な工夫がいる。その一つとして、骨盤の下に畳んだタオルを入れるのは簡単に出来る効果的な方法。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
ペアになって姿勢分析の練習をおこなう参加者の皆さん。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
左右の骨盤の位置(腸骨稜)を調べているところ。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
成田先生は院では「ポスチャ―スクリーン(Posture Screen)」というアプリをタブレットにインストールして使い、姿勢分析をおこなう。タブレットの他、このように壁を背にして立ってもらった状態でも姿勢をチェックする。骨盤の傾きや胸・腰椎のカーブ、頭の位置を主にみる。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
スライドを使って【ロードシス】【カイホロードシス】【スウェイバック】【フラットバック】の4つの姿勢の特徴や見分け方を説明。その後、各姿勢を改善していくセルフケアとして、短縮している筋にはストレッチ、十分使われていない筋には動きを与えるための刺激の入れ方、強化法を計24個練習。
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
スウェイバックやフラットバックなど、骨盤後傾を改善しやすくするハムストリングのストレッチ
施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー
ロードシスやカイホロードシスなど、骨盤前傾を改善しやすくする腸腰筋ストレッチ

■参加された皆さんの声


  • 本日はありがとうございました。より患者さんの「自分から積極的に改善に向かわせる意識」を育むためにも、とても大切な指導であることを再度認識できました。また、見た目から筋肉の硬結をイメージングするのにも有用な知識であると感じました。より深く復習し、道行く人を観察しながら、カウンセリングに活かせるようにしていきます。
  • 姿勢についていろいろな知識を得ることができ、非常に有意義な時間になりました。
  • ありがとうございました。日常で取り入れてみます。まずは自分で実行していきます。
  • 非常にわかりやすかったです。家に帰りましたらもう一度勉強します。
  • とてもいいセミナーでした。もっと多くの人が受講すべきと思いました。
  • 問題のある姿勢ごとの対処、ストレッチの方法を学べて勉強になりました。
  • O脚矯正での指導にも使ってみたいと思いました。エクササイズや姿勢矯正を続けられるような伝え方も勉強になりました。

2022年10月10日セミナー開催報告

「ぎっくり腰パーフェクト対応術」
講師 村井 雅紀先生
(Teal Chiropractic 武蔵小山整体院 院長)

■主な内容


・ギックリ腰(急性腰痛)初回対応の流れ
・ヒアリングすべきこと(施術適応かどうか判断する)
・過去の失敗例から学ぶ教訓
・「今、体に起きていること」をミクロ・マクロの視点から説明する
・例え話の活用「凍結バナナの皮が裂ける?」
・炎症の回復プロセス
・おこなってはいけない施術とは
・初回におこなう施術デモ
・腰を痛くしない体位変換・起き上がり・立ち上がり方
・呼吸指導(丹田意識でコアの安定を図る)他

ギックリ腰(急性腰痛)初回対応の重要ポイントの一つが「安心していただく」こと。クライアントさんは激痛と「今、何が起きているのかわからない」不安でパニック状態に陥っていることが多いからです。施術者は「なぜ腰が痛くなったのか」「この痛みはこれからどうなっていくのか」などをわかりやすく説明できるとBetter。
クライアントさんは激しい腰の痛みで交感神経優位となり、全身が過緊張(筋スパズム)状態に陥っています。「後頸部と仙骨への微弱タッチ」で副交感神経優位に導いているところ。全身の過緊張が緩和すると自然治癒力が高まります。
施術はうまくいっても、起き上がり・立ち上がりの動作がまずいと、腰が痛なって動けなくなってしまうことがしばしば起こり得ます。「痛くない起き上がり・立ち方」をペアで練習しました。
過去の失敗例から何がよくなかったのかを解説。「腰が痛い」と言われ、そのことに集中するあまり外のことに目がいかなかったり、患部周辺を押し込み過ぎたり、体位変換で腰椎回旋動作や、座位から立位で腰椎屈曲動作が入ってしまったことで悪化させてしまった経験があるとのこと。
やみくもに施術をおこなうのは危険です。手技の適応になるのか、念のため聞いておいた方がよい項目があります。
午前中はスライドを使った講義と施術デモ。午後は実技練習をメインでおこないました。
腰の痛みが激しい場合、座っているのが苦痛な時はすぐ横に寝ていただきましょう。横に寝た体勢で問診したり、状態チェックをおこないます。 初回はクライアントさん自身、腰が痛すぎて、腰のどこが痛いのかわからないことが多いです。それでも施術者は、決して押し込んではいけませんが、軽くタッピングしたり直接、腰に触れることが大事。すると「痛いのはその辺りです」「もう少し左です」など痛む部位を認識しやすくなります。
施術は痛む腰から離れた足からおこないます。こわばっている所、施術すべき所を探すようなイメージで下腿・大腿・殿部と移っていきます。
後頸部と仙骨に「微弱タッチ」を3分程おこなうと、クライアントさんは体がポカポカ温まってきたり、体の緊張が緩んでくるのを自覚できることが多いです。大後頭神経叢と仙骨神経叢に親和的感覚が入力され、体が副交感神経優位に導かれたためです。
横向きから仰向けに体位変換する際は、腰が痛くならないよう施術者のガイドが必要。腰を捻じらないよう気をつけます。(1)踵をお尻に近づけるよう膝を曲げ(大腿四頭筋を動かさない)両大腿をくっつける(2)腰をねじらないよう術者は骨盤と両膝を固定(3)サポートしながらゆっくり仰向けになる(4)両膝は曲げたままで膝裏にクッションを置く
筋スパズムを軽減するため、仰向けで「大腿部タッチ&ロール」をおこなっているところ。手を下腿(膝下)と大腿部に当てて3拍子で揺らします。
大腰筋に施術しているところ。腰が固まっている人はたいてい拮抗しているお腹も固まっています。ギックリ腰対応としては患部に触れないので「安全」かつ「効果的」な重要施術ポイントです。
呼吸指導で丹田、コアの安定を図った後「痛くない起き上がり方」を練習しました。

■参加された皆さんの声


    • 今日学んだ新しい技術を日頃から使って仕事に生かします。続編も期待しています。
    • 手技は家族同士でも気軽に出来そうなところがよかった。今日帰ってやってみようと思います。
    • わかりやすく質問にも的確に答えて頂きました。今まで漠然としていたことがはっきりしてとてもありがたいセミナーでした。
    • 痛がりの患者さんに応用出来そうな事がたくさんありました。
    • 腰が痛くてうずくまってしまったクライアントさんに、起き上がりや立ち上がり方をどう指導したらよいか迷ったことがありました。腰が痛くならない動作法が学べてよかったです。
    • 急性腰痛の方に対する横向き、仰向けの施術方法が勉強できたのが収穫でした。早速試してみたいと思います。

2022年7月18日セミナー開催報告

5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える
~明日から臨床で使えるDRTセミナー~
講師 成田 貴徳先生
(大川カイロプラクティックセンター千歳烏山整体院

■主な内容


◆基本編
・DRTとは(座学)
・DRTで最も重視される3大指標(座学)
・施術デモンストレーション(当日不調を抱えている方を実際に施術します)
・セミナー参加者みなさんにDRTを実体験していただきます!
・参加者同士でひたすら身につくまで練習!練習!!
・講師による最終チェック
・「実践してみてわかった。大川メソッド&DRTの融合が最強だった件」(座学)

DRTは、お茶の水カイロプラクティック(https://drt-seitai.com/)の上原宏先生が開発したテクニックです。DRTのDはダブルハンド、Rがリコイル、Tがテクニックのことを指します。ちなみに、リコイルというのは英語のrecoilで「跳ね返り」という意味があります。
DRTを簡単に説明すると、背骨を5~7分揺らすことで背骨の歪みや動きを正常化します。自然治癒力を最大限発揮させることで、様々な症状を改善することが出来るテクニックです。
DRTで重要なのが「三大指標」。そのひとつ、下腿三頭筋の触診をしているところです。
「三大指標」の第二頸椎(C2)横突起を触診しているところです
参加者の皆さんが「三大指標」の僧帽筋を触診しているところです。
成田先生の施術デモンストレーション。体の不調がある方に実際に受けてもらいました。
第二頸椎(C2)横突起の位置を探すのはコツがいります。一人一人見回って指導する成田先生。
「三大指標」の僧帽筋の触診を実演しているところ。
手の当て方ひとつとっても、新しいテクニックを覚える時はなかなか大変。習得には直接の実技指導が一番の近道。
検査の重要性や、院でどのようにDRTを導入していったか、院の売上なども交えスライドで説明。実体験に基づく話なので、皆さんとても興味深く聞いておられました。

■参加された皆さんの声


  • DRTのベーシックな技術を集中的に練習できて良かったです。経営面のお話も良かったです。ありがとうございました!
  • 以前からDRTに興味があったのでセミナーの開催を楽しみにしていました。すべてが理にかなっていて非常によいセミナーでした。
  • DRTを体験し、習得する機会を得られて勉強になりました。
  • 内臓は大事、ありがたい勉強でした。
  • まさに明日から使える感じで学べたと思います。シンプルに実技一点にまとめられていたのが良かったです。沢山練習できてありがとうございました。
  • スムーズに同じ強さで揺らすのが難しく練習が必要だと感じました。首と背中が良くなりました。ありがとうございました。
  • 非常に勉強になりました。手技に掛ける時間を短縮してセルフケアの指導、練習に掛ける時間を増やす方向で治療の組み立てを考えています。本日教えて頂いた内容を取り入れて手技の時短を考えていこうと思います。
  • 今までTPTのみで対応していましたが、それだけでは対応しきれないこともあり、もうあと一手、別の方法が欲しくて参加しました。明日から取り組めそうです。
  • やることはシンプルですが、奥が深くためになるセミナーでした。
  • 講師から直接手技を受けられ、逆に受けてもらうことも出来たので、触れる箇所、力加減等がよくわかりました。再現性が高いとの言葉どおり私にもすぐ再現できそうです。

2022年3月21日セミナー開催報告

今の施術効果を10倍UP!内臓整体習得セミナー
講師 関野 正顕先生
(さんちゃ整体院、YouTubeチャンネル「ゴッドハンド通信」出演)

■主な内容


◆基本編
・内臓テクニックとは一体何なのか?
・内臓にアプローチする本当の目的
・内臓と筋骨格系の症状との関係性とは!?
・内臓にストレスがかかると人の体はどうなるの!?
・防御反射を起こさせない正しい患者さんへの触り方
◆テクニック編
・心臓・肝臓・横隔膜・胃・腎臓・腸
それぞれの臓器に対しての直接アプローチ法、反射点アプローチ法を紹介します。

JACMで2回目のセミナー開催となる関野正顕先生
関野先生はさんちゃ整体院での施術の他、YouTube動画配信などで活躍中!
内臓テクニックを筋骨格系の施術に加えると施術効果が高くなります。内臓テクニックの目的は内臓を正常な位置に戻すことでその臓器が持つ本来の機能を高めることです。
内臓の施術には「直接施術」と「反射点施術」があります。触り方も3種類ありますが、前提として「ガバっと触らない」ことが大切。敏感な部位だからです。
肝臓の「直接法」を解説しているところ。右肋骨を上方に持ち上げ、下方手で肋骨の中に手を入れて接触します。
胃の「直接法」を解説しているところ。左肋骨を上方に持ち上げ、下方手で肋骨の中に手を入れて接触します。
臓器が下垂すると同側の肩は下がることが多いため、肩の挙上制限を引き起こすことがあります。
心臓の反射点、左肘の内側部を刺激しているところ。「お腹が触れない」などの直接法が使えないときに反射点は使うことがあります。
直接法をおこなう時は、圧の強さよりも、圧の方向がより大切です。
腎臓の「直接法」。両手で腎臓にテンションを加えながら上方に圧を入れます。
右ASIS内側にコンタクトし、大腸(回盲部)の「直接法」をおこなっているところ。
手技が出来ているかどうか、練習中も関野先生がチェックして見回るので安心。
最後に肩甲骨の内側にある反射点を一通り説明。お腹を触れないとき、直接法の代わりに使うことができます。

■参加された皆さんの声


  • 今日はありがとうございました。またセミナーがありましたら参加しますので宜しくお願いします。
  • 今回も大変勉強になりました!また次の機会を楽しみにしています。子宝整体師に先日なりましたが、これで更に自信を持って施術できます!
  • 今まで触れてこなかった分野だったので、非常に興味深くまた大変勉強になりました。是非また受けてみたいと思いました。
  • 内臓は大事、ありがたい勉強でした。
  • 前回のセミナー同様、とてもわかりやすくボリューミーでちょうどよかったです。次回もあれば是非行きたいです。
  • 参加者全員に直に手技をおこなってくださるのがよいです。先生の触れ方は思ったよりソフトでした。体で圧をかけるなど、基本を重視される姿勢も好感が持てます。上腹部にコンタクトする際、肋骨に圧がかかりすぎていないかなど、ご指導を受けてはじめて確認できたことがいくつもあり、やはり手技は開場で受講するのが一番だと感じました。