2022年10月10日セミナー開催報告

「ぎっくり腰パーフェクト対応術」
講師 村井 雅紀先生
(Teal Chiropractic 武蔵小山整体院 院長)

■主な内容


・ギックリ腰(急性腰痛)初回対応の流れ
・ヒアリングすべきこと(施術適応かどうか判断する)
・過去の失敗例から学ぶ教訓
・「今、体に起きていること」をミクロ・マクロの視点から説明する
・例え話の活用「凍結バナナの皮が裂ける?」
・炎症の回復プロセス
・おこなってはいけない施術とは
・初回におこなう施術デモ
・腰を痛くしない体位変換・起き上がり・立ち上がり方
・呼吸指導(丹田意識でコアの安定を図る)他

ギックリ腰(急性腰痛)初回対応の重要ポイントの一つが「安心していただく」こと。クライアントさんは激痛と「今、何が起きているのかわからない」不安でパニック状態に陥っていることが多いからです。施術者は「なぜ腰が痛くなったのか」「この痛みはこれからどうなっていくのか」などをわかりやすく説明できるとBetter。
クライアントさんは激しい腰の痛みで交感神経優位となり、全身が過緊張(筋スパズム)状態に陥っています。「後頸部と仙骨への微弱タッチ」で副交感神経優位に導いているところ。全身の過緊張が緩和すると自然治癒力が高まります。
施術はうまくいっても、起き上がり・立ち上がりの動作がまずいと、腰が痛なって動けなくなってしまうことがしばしば起こり得ます。「痛くない起き上がり・立ち方」をペアで練習しました。
過去の失敗例から何がよくなかったのかを解説。「腰が痛い」と言われ、そのことに集中するあまり外のことに目がいかなかったり、患部周辺を押し込み過ぎたり、体位変換で腰椎回旋動作や、座位から立位で腰椎屈曲動作が入ってしまったことで悪化させてしまった経験があるとのこと。
やみくもに施術をおこなうのは危険です。手技の適応になるのか、念のため聞いておいた方がよい項目があります。
午前中はスライドを使った講義と施術デモ。午後は実技練習をメインでおこないました。
腰の痛みが激しい場合、座っているのが苦痛な時はすぐ横に寝ていただきましょう。横に寝た体勢で問診したり、状態チェックをおこないます。 初回はクライアントさん自身、腰が痛すぎて、腰のどこが痛いのかわからないことが多いです。それでも施術者は、決して押し込んではいけませんが、軽くタッピングしたり直接、腰に触れることが大事。すると「痛いのはその辺りです」「もう少し左です」など痛む部位を認識しやすくなります。
施術は痛む腰から離れた足からおこないます。こわばっている所、施術すべき所を探すようなイメージで下腿・大腿・殿部と移っていきます。
後頸部と仙骨に「微弱タッチ」を3分程おこなうと、クライアントさんは体がポカポカ温まってきたり、体の緊張が緩んでくるのを自覚できることが多いです。大後頭神経叢と仙骨神経叢に親和的感覚が入力され、体が副交感神経優位に導かれたためです。
横向きから仰向けに体位変換する際は、腰が痛くならないよう施術者のガイドが必要。腰を捻じらないよう気をつけます。(1)踵をお尻に近づけるよう膝を曲げ(大腿四頭筋を動かさない)両大腿をくっつける(2)腰をねじらないよう術者は骨盤と両膝を固定(3)サポートしながらゆっくり仰向けになる(4)両膝は曲げたままで膝裏にクッションを置く
筋スパズムを軽減するため、仰向けで「大腿部タッチ&ロール」をおこなっているところ。手を下腿(膝下)と大腿部に当てて3拍子で揺らします。
大腰筋に施術しているところ。腰が固まっている人はたいてい拮抗しているお腹も固まっています。ギックリ腰対応としては患部に触れないので「安全」かつ「効果的」な重要施術ポイントです。
呼吸指導で丹田、コアの安定を図った後「痛くない起き上がり方」を練習しました。

■参加された皆さんの声


    • 今日学んだ新しい技術を日頃から使って仕事に生かします。続編も期待しています。
    • 手技は家族同士でも気軽に出来そうなところがよかった。今日帰ってやってみようと思います。
    • わかりやすく質問にも的確に答えて頂きました。今まで漠然としていたことがはっきりしてとてもありがたいセミナーでした。
    • 痛がりの患者さんに応用出来そうな事がたくさんありました。
    • 腰が痛くてうずくまってしまったクライアントさんに、起き上がりや立ち上がり方をどう指導したらよいか迷ったことがありました。腰が痛くならない動作法が学べてよかったです。
    • 急性腰痛の方に対する横向き、仰向けの施術方法が勉強できたのが収穫でした。早速試してみたいと思います。