セミナー講師募集!

当協会主催のセミナー講師を募集しております。
受講対象者は当協会の「会員」+「一般」で、参加人数は平均9名です。
基礎医学に精通した理学療法士・柔道整復師・鍼灸師・指圧あん摩マッサージ師・カイロプラクター・整体師の方で、これまで講義経験がおありの方(規模は問いません)を希望しています。
セミナーのテーマはご相談のうえ決定いたします。ご自身の経験・お持ちのスキル(ピラティス・武道・トレーナー・リハビリテーション・経営など)を活かせるよう柔軟に対応いたします。
具体的な開催内容は以下のとおりです。

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開催日: 祝日
時間 : 11:00am~4:00pm(途中1時間休憩あり)
内容 : 打ち合わせにより決定
講師料: 8万円(交通費別途支給)
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ご興味のおありの方はこちらからご連絡ください。折り返しご返信いたします。

JACM(日本カイロプラクティック医学協会)事務局 担当小梨

成田貴徳先生(千歳烏山整体院)インタビュー②/姿勢分析・姿勢指導について

施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー

講師、成田貴徳先生(大川カイロプラクティックセンター千歳烏山整体院)にセミナーのテーマ「姿勢」について伺いました!

 ■「ポスチャ―スクリーン(Posture Screen)」を使った姿勢分析
 ■姿勢の見方がどう変わってきたか
 ■姿勢検査の実際(1)
 ■姿勢検査の実際(2)

■姿勢検査の実際(1)

――成田先生は施術ではDRTをメインで使っておられると思います。どのタイミングで姿勢検査・指導を組み込んでいるのですか?
成田)姿勢検査は初回に行います。2回目に現状の姿勢評価の説明をおこないます。
普段の身体の使い方をチェックする「チェックシート」を初回にお渡ししていまして、これを自宅で記入してもらい、2回目に持参して頂きます。この「チェックシート」の内容を分析して3回目以降に姿勢指導を行います。
(※DRTとは・・・「D=ダブルハンド」「R=リコイル」「T=テクニック」の略で「両手で背骨を押し揺らして、反動で背骨を調整する」テクニック)

――「チェックシート」を見せていただきましたが、かなり詳しく普段の姿勢の状態を確認されるのですね。これも「ポスチャ―スクリーン」の機能の一部ですか?
成田)いいえ、これは「姿勢教育指導士」の勉強をしている時に協会からいただいたものです。セミナーではこの「チェックシート」をお見せすることが出来ますし、このようなものを作ればよいというヒントにもなろうかと思います。

――初回来院時に検査をおこなうということがわかりましたが、通院を継続されている方に対しては?
成田)長年通われている方に対しては「もう面倒なので」ということで姿勢検査はやらないこともあるのですが、まだ通い始めの方には10回や20回と、10回単位の来院ごとに再度、姿勢分析をしています。「ポスチャ―スクリーン」の中に以前撮った写真が保存されていますから、現在の姿勢と比較が出来るんです。「改善していっている!」というのが一目でわかるんです。

――もしこの「ポスチャ―スクリーン」を使わないとしたら、成田先生にとって姿勢検査はやりにくくなりますか?
成田)そうですね。患者さんにとっても記憶に残りにくくなるかと思います。こちら側の主観として診る分には、視診や触診で補える部分もあるのですが、形として目に見えるものがないと患者さんには伝わりにくくはなりますよね。「ポスチャ―スクリーン」を使わない場合でも、姿勢の写真は撮るかと思います。

■姿勢検査の実際(2)

――ご来院される方の中には「姿勢にはあまり関心がない」「検査より早く施術して欲しい」というような方もおられるかと思います。そのような場合は姿勢検査はしない?
成田)いいえ、姿勢指導はほぼ全ての患者さんに行っています。確かに「早く施術して」という方もおられるので、そこで「姿勢」「姿勢」と度々言うことはありませんが、「ポスチャ―スクリーン」を使った撮影はあっと言う間ですので、やはりおこないます。
そもそも、DRTは「背骨を正しい形に戻しましょう」という考えでおこなっています。施術で体が楽になったら、その後、この状態を維持していくのにはどうしても姿勢が大切なのです。姿勢に関心がない方の場合、まず体をしっかり治してあげてからですね、姿勢のことを詳しく解説するのは。段々とその方向にもっていくということです。

セミナーでは内容を習得しやすいよう配布物も用意

――姿勢分析を整体院の経営面でも活かすとすると、大切なことは何だとお考えですか?
成田)今、治療院は沢山あり、業界は群雄割拠の戦国時代です。となると、いかに患者さんから「ここまで詳しく診てもらったことなかったです」との言葉を引き出せるかどうかだと思います。
「巻き肩」「猫背」など、患者さん自身が悪いと思っていることをいくら並べて述べても他院との差別化は出来ません。患者さんに「ここまで詳しく診てもらえるんだ!」と感動して頂くことです。感動すると、人はその思いを周囲に話したくなります。そこで「ご紹介」が生まれます。
「ポスチャ―スクリーン」のような印刷して形として残るお土産があれは余計よいですよね。周りに紹介しやすくなるかと思います。
先ほど、初回に姿勢検査、2回目に説明をし、3回目以降に姿勢指導を行うと述べました。単純接触効果を考えても、3回に分けることで患者さんからの信頼も得やすくなるのです。
(※単純接触効果とは・・・繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが論文にまとめ、知られるようになった)

――最後にセミナーに向けて参加される方へメッセージをお願いします。
成田)患者さんの身体の使い方は多岐に渡ります。施術者は様々なバリエーションの座り方や立ち方を指導する方法をストックしておく必要があります。今回のセミナーでは一つの姿勢指導を学ぶのではなく、どのような人が来院されても対応できるようなヒントをお届けできると思います。
当日は内容が習得しやすくなる配布物も用意しています。その中で「姿勢タイプ別ストレッチの資料」があるのですが、その部分を、参加者で希望される方にはデータでプレゼントしようと思います。患者さんの姿勢分析をしたら、後はこの資料を渡すだけで姿勢改善のストレッチ指導ができます。このデータも参加される方にはメリットになると思いますで、ご興味のおありの方は是非会場にお越しください!

参加者の方でご希望の方には「姿勢タイプ別ストレッチ資料」のデータをプレゼント!
参加ご予約受付はこちら

成田貴徳先生(千歳烏山整体院)インタビュー①/姿勢分析・姿勢指導について

施術の効果を最大限に高める! 姿勢分析&姿勢改善エクササイズセミナー

講師、成田貴徳先生(大川カイロプラクティックセンター千歳烏山整体院)にセミナーのテーマ「姿勢」について伺いました!

 ■「ポスチャ―スクリーン(Posture Screen)」を使った姿勢分析
 ■姿勢の見方がどう変わってきたか
 ■姿勢検査の実際(1)
 ■姿勢検査の実際(2)

■「ポスチャ―スクリーン(Posture Screen)」を使った姿勢分析

――姿勢検査は、プラムラインを使ったり写真を撮ったりと、いろいろやり方があると思いますが、成田先生はどのような方法でおこなっていますか?
成田)タブレットにインストールした「ポスチャ―スクリーン(Posture Screen)」というアプリを使っています。このアプリで患者さんの立位の写真を撮って姿勢を分析します。壁を背にして立ってもらった時の姿勢も見ますが、この時はアプリは使いません。

――「ポスチャ―スクリーン」は、姿勢を撮影すれば自動的に分析してくれるのですか?
成田)姿勢の指標となるポイントは画面上で自分で打ちます。ポイントを打つと「肩が〇mmズレていますよ」「頭の位置が〇㎝前方に行っているので物理的にかかる重さは〇㎏ですよ」などと数字が自動計算されて出てくるんです。

――「ポスチャ―スクリーン」を導入したきっかけは?
成田)知り合いの先生が使っていて、それで実際に見せてもらって「いいな」と思いましたので使うことにしました。

――「ポスチャ―スクリーン」の利用料は?
成田)導入時に4800円かかります。毎月の利用料はなく、クレジットというのを購入して使います。100クレジットで1800円です。患者さんの写真を撮って1回分析するのに1クレジット使うので、1回の分析料は18円です。

――想像よりだいぶお手軽な価格ですね。
成田)そうですね。一度導入してしまえばそれほど負担にはならないかと思います。

――姿勢分析は「ポスチャ―スクリーン」導入前からおこなっておられたと思います。その時はどのようなやり方を?
成田)鏡(姿見)に向かって患者さんといっしょに立ち、共に姿勢を見ながらいろいろ解説していました。ですが、患者さんは鏡を見ると、どうしても無意識も含め姿勢を補正してしまうことがあるんです。
また「寝違え」の患者さんですと、首が痛いので側方からの姿勢分析で鏡側を向くことが出来ません。後ろ姿も鏡では見ることができないですよね。なので、やはり姿勢は写真で撮影するのが重要だなと考えが変わってきました。

講師 成田貴徳先生
姿勢分析をおこなう成田先生

姿勢の見方がどう変わってきたか

――「姿勢教育指導士」の資格を取得したことで、以前と比べて姿勢の見方は変わりましたか?
成田)姿勢はこの仕事をするようになってから必ずチェックするようにはしていました。ただ、大川学院の授業で習った「プラムライン分析」を基に、その理想の姿勢から「どれくらいズレているか」という分析をしているだけで、それを効果的に施術に結び付けられていたかというと、それは出来ていなかったかと思います。
現在は、大まかに姿勢を4つの分類「ロードシス」「カイホロードシス」「スウェイバック」「フラットバック」に分けています。その分類をすると「この部分の筋肉を使い過ぎている」「この筋肉が使えていない」という分析が出来ます。それで使いすぎている筋肉は「緩め」て、使っていない筋肉は「強化する」という指導が出来るようになりました。
また、以前は「猫背」や「巻き肩」など姿勢を部分で見ることが多かったのですが、今は全体を見る重要性を感じています。そのお陰で隠れた根本原因にも気が付くようになりました。
姿勢指導のバリエーションも増えたので、様々なパターンの方に対し「これがダメならこれは?」と対応の幅も広がりました。

――セミナーでは筋肉の調整のためのストレッチと筋力強化のエクササイズを解説されるそうですが、ストレッチには押圧(トリガーポイントセラピー)を併用してもよいわけですね。
成田)はい。使い過ぎの筋肉にトリガーポイントセラピーは有効です。姿勢分析をおこなうとトリガーポイント(TP)を見つける効率化も図れます。触診能力も上がると思います。

成田先生
姿勢を分析することで触診も効率よくできるようになる

――「猫背」や「巻き肩」についてですが、ある先生は楽に動けるのであれば「そのままで問題ない」と言います。成田先生の見解は?
成田)「猫背」や「巻き肩」を部分でみると、「スポーツする際に適している」「機能的には良い」という意見は聞いたことがあります。私の見解としても、「猫背」や「巻き肩」は必ずしも悪いものではないと考えています。
「0-100体操」というエクササイズがあります。思いっきり猫背をとってもらう「0の姿勢」、これ以上胸を張れないという程の姿勢をとってもらう「100の姿勢」。これを繰り返すのが「0-100体操」です。
デスクワークで「猫背」や「巻き肩」が続くと、本来の「100の姿勢」が取れなくなり「0-80体操」になってしまいます。つまり背骨、肩甲骨の「可動域が制限される」ことに問題があると考えています。

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2022年2月23日(水・祝)セミナーPR/「微弱圧」って何? 講師の村井先生に聞きました。

講師、村井先生にセミナーのテーマ「微弱圧」について伺いました!

 ■ 微弱圧とはどれくらいの圧?
 ■ 微弱圧は頭・頚部の症状によく使う?
 ■ 圧の強さは患者さんによって使い分ける?
 ■ 微弱圧は虚血圧迫法と似ている?
 ■「筋肉をほぐす」ことはしますか?
 ■「毎日3回服用の頭痛薬がほとんど必要なくなる」アプローチとは?
 ■ 歯列矯正しても納まらない顎関節症の原因は?
 ■ コロナ禍で皆マスクをしているけど顎関節症の施術は可能?
 ■ 急性の痛み「寝違え」はどう対応?
 ■ 患者さんへの「治療計画の提案」で工夫していることは?

――「微弱圧」とは、具体的にはどれくらいの強さの圧なのですか?
村井)ほとんど触れているだけか、数グラム程度がメインです。揺らしたり、屈伸・回旋させる手技も含んでいます。

――頭・頚部の症状改善に特によく使うのですか?
村井)それが重症であるほど「押しようがない」状態なので微弱圧が有効なのです。頭・頸部に重い症状がある方は、実は手足や腹部など「全身に強いスパズムがある」ことがほとんど。ですので「微弱圧」は全身症状の解消に有効な手技でもあります。

――院にはいろいろな患者さんが来院されます。実際には個々の患者さんの好みや部位によって強・弱・微弱の圧を使い分けているのですか?
村井)患者さんの好みの問題は考慮はします。症状が中程度であれば強・中圧も使います。ただ、重症になればなるほど「微弱圧」中心となります。

――「微弱圧」の手技は虚血圧迫法のように「圧を入れてまっすぐ抜く」のですか?
村井)微弱「圧」という言い方をしていますが、本質は「皮膚の感覚受容器に対し“親和的な感覚“を入力する」ことによりスパズムをリリースするものです。言い方を変えると「とても優しく丁寧に触れたり揺らしたりするので深いリラックスが得られて身体の緊張からすっかり解放される」とう感じです。

――圧を入れながら指を動かす、いわゆる「筋肉をほぐす」こともしますか?
村井)顎や頸の緊張緩和でいくつか「ほぐし」もおこないます。それも微弱な圧です。私の手技が特徴的なのは「らせんの動き」を取り入れていることだと思います。

――セミナー案内に「毎日3回服用の頭痛薬がほとんど必要なくなる」とありますが、具体的にどのようなアプローチで、どれくらいの回数で改善されるのでしょうか?
村井)実例としては20~50代の方で、いずれも週1~2回の来院、計10回程度で頭痛薬が激減しています。アプローチは、顎と頸の緊張をとるのに患部だけでなく、足根骨と手根骨、そして鎖骨のモビリゼーションも重視しておこなっています。

――「歯列矯正しても納まらない顎関節症をクリアする」とありますが、その場合、何が顎関節症の原因なのでしょうか?
村井)最近では医科歯科大の付属クリニックでも「顎関節症の原因は顔や頸の筋緊張が主要な原因であり歯列の問題ではない」とまで言っておられます。「ストレッチ指導」のプリントを患者さんに渡したりもしています。
私も同意見です。顎や頸の緊張が取れない方というのは、加えて、手・足・股・肩関節の緊張も強いことがほとんどなので、立ち方・歩き方・タイピングの仕方・包丁のつかみ方など、生活習慣にも改善の余地がある方が多いです。整体だからこそお役に立てることがいくつもあります。

――最近はコロナ禍で施術者も患者さんも院内ではマスクをしたままです。顎関節症への対応はマスクしたままで出来ますか?
村井)マスクしたままで十分対応できます。触診・テスト・施術すべて可能です。

――「寝違え」のような急性の痛みはどう対応されていますか?
村井)寝違えは「頸の問題」と考えると対処を間違います。大抵は大腿部と上腕部が異様に不随意収縮しているものです。手首足首から緊張をとって最後に微弱圧で頸の緊張をとっていくということになります。

――患者さんに「治療計画を提案」するうえで工夫されていることがあれば教えて下さい。
村井)重症な方を診る場合の「治療計画の提案」の心がけは以下の通りです。
① 「初回の効果の実感は微々たるものかも知れない」と予め明言しておくこと。
②  局所的な痛みの変化に一喜一憂しない。全身のしなやかさ改善に集中する。
③  しなやかになれば血流量もあがり呼吸も深くなる。それが回復を高める。
④ 「正しい手当と正しい習慣があれば必ず治る」ことを伝える
⑤  治るのは本人の回復力。それを引き出す手伝いをするのが施術者。
⑥  医師の診断・加療を受けている場合はその内容と反応に注意する。

お話を伺ってわかったことは、「微弱圧」は症状が重くなればなるほど、その真価が発揮されるようです。患部にこだわらない村井先生の手技を是非、セミナー会場で体験してみませんか。ご参加お待ちしております!

参加予約受付フォームはこちら

2020年9月21日(月・祝)セミナーPR動画

高齢者への施術・対応力を磨こう!
~センシティブタッチ/押さない施術~
講師 村井雅紀先生
ティールカイロプラクティック武蔵小山整体院 院長)

当日実演、練習がある「センシティブタッチ」とはどのような手技か? また「ご来院されるご高齢のお客様への対応で気を付けていること」などを伺いました。ご興味を持たれた方は是非セミナーにお越しください。参加予約受付中です!

直営院の院長として活躍しませんか!

大川カイロプラクティックグループからの求人のお知らせです。
当グループは、東京・神奈川・千葉に33院の整体・カイロプラクティック院を運営しています。
都内の直営院で現院長が今年7月末をもって退職する院があります。よって当グループでは、後任の院長として活躍していただける方(経験者)を募集しております。

現在、整体院として営業している院ですが、昨今のお客様のニーズの多様化、および後任を務める方のご経験を生かしていただくため、業種はカイロプラクティック、整体院に限らないようにしました。リラクゼーションサロン、整骨院、鍼灸院、エステサロンなど、施術業務であればOKです。「手技を大川式のやり方に統一しなければならない」ということもありませんので、お持ちの技術を存分に活かしていただくことができます!

直営院は独立採算制です。本部にマージンを支払いますが、その割合はスタッフを何人雇用するかなどの細かい条件が決められていますので、ここでは割愛いたします。新しく院長になられた場合、しばらく経営が軌道にのらないということも考えられます。そのため、はじめの6ヶ月は給与保証がつきます。

本件にご興味がある方には募集している院の立地ほか、詳細をお知らせいたします。ご連絡はお問い合わせフォームからお願いいたします。

講師の安藤先生へのインタビュー/10月8日開催「カラダの使い方を深める!」

■呼吸について


――安藤先生は呼吸法の指導を臨床に取り入れておられますが、クライアントさんによっては「指導が難しい」と感じる時はありませんか? 呼吸はすべての人がいつもおこなっているものだけに、その重要性についてピンと来る人、来ない人の差が大きい気がするからです。
安藤)
クライアントさんは難しいことを教わっても続きません。私は特別な難しい呼吸法を取り入れている訳ではないんです。呼吸の重要性についてピンと来ない方には、理屈よりも一緒に呼吸を使って動いてみること。「どれだけ楽に動けるか」を実感してもらうのが一番です。
呼吸に合わせて歩いてみる。呼吸しながら物を持ち上げてみる。指導というよりも一緒にやってみる、これにつきます。

――昨年のセミナーで実演されたように、「フーッ」と口から吐きながら、立ったり座ったり、歩くのですね。
安藤)
そうです。私が習っているシステマの呼吸はわかりやすくていいかなと思います。ただ鼻から吸って口から「フーッ」と吐くだけですから。

――システマ公認インストラクターの北川貴英先生も2014年1月のセミナーで、「わからなくなったら、とにかく鼻から吸って口から吐いて」と説明されていました。システマの呼吸はこのわかりやすさがよいですね。
安藤)
応用もいろいろあります。例えば、心身ともに強い緊張状態で、自分にかかる負荷が強い時はバーストブリージングという方法を使います。「フッ、フッ、フッ、フッ」と短く早く呼吸ようにするだけです。
呼吸についてはセミナー当日、「胸郭と脊椎と横隔膜の関係」「体の内圧を下げる」「呼吸によって余計な動きを省く」「呼吸で姿勢を整える」など、その重要性も併せて詳しく説明しようと思います。

■坐骨神経痛へのアプローチ


――来院される方の症状として多い、坐骨神経痛についてお尋ねします。例えば、脊柱管狭窄症と病院で診断され、殿部や脚のしびれ、痛みで来院された方に対してはどのようなアプローチをされますか?
安藤)
脊柱管狭窄症はご存知の通り、脊柱管内の変性ですので、手術する以外には変えることはできません。ここで大事なのは、そもそもその痛みは本当に脊柱管狭窄症によるものなのか? ということです。馬尾症候群などの症状が出ているなど、ごく僅かなケースを除いては手術の必要はありません。手術は最終手段、まずは保存療法でやってみましょうと。
間欠性跛行を例に挙げると、ほとんどの方は腰から脚にかけての筋緊張が強く、足に重りを付けているような歩き方をしています。こんな歩き方ならば誰でもきつくなって休み休みでないと歩けません。血流制限しながら歩いているようなものです。
手押し車などを利用すれば、手をつくことで物理的に負荷が減るのはもちろん、心理的にも安心感が得られます。結果、腰から下の緊張がやわらぎ、長距離の歩行が可能になります。

――心理面の緊張も症状を強くしているわけですね。
安藤)
改善していくためには筋緊張をやわらげる施術、歩行トレーニングとともに、「痛いけど大丈夫!」という自信を回復させることが大切なのです。実際、多くの方が時間の経過とともに少しずつ歩く距離を伸ばしてくれています。
ただ歩くことを目標にするのではないんです。「歩けたらまた旅行に行きたい」「ゴルフをやりたい」などの具体的な目標を立てること。そして一緒にその目標に向かうことが大切です。こちらも詳しくはセミナー当日にお話しします。

■セミナーの見所


――今回のセミナーは全般的にはどんな内容になりますか?
安藤)私セミナーは具体的なテーマを絞った方が分かりやすくていいのでしょうが、私自身これといったものがないので、手技、エクササイズ、身体動作、コミュニケーションについて地道にやる仕事を伝えていこうと考えています。
今回も特別なことがあるわけではありませんが、CMTについては少し突っ込んでするつもりです。関節操作が上手になると、筋肉の扱いも上手になりますし、よりカラダの動きを理解できると考えているからです。
質問、要望がおありでしたら、事前にJACM事務局までお問合せください。当日は多くの参加お待ちしております。

■野球部のトレーナー兼コーチに就任


――実践的な内容のセミナーになりそうで楽しみです。最後に、セミナー以外でも結構ですので、何かホットな話題がありましたらお聞かせ下さい。
安藤)
昨年から都立高校の硬式野球部の外部指導員としてトレーナー兼コーチを務めています。きっかけは、以前、大川学院で講師をされ、かつ、なかのぶ院(直営院)の院長としても活躍されていた高橋順先生からのお誘いです。高橋先生は現在、高校の教員をされており、硬式野球部の監督に就任されたのです。
私もいつか高校野球に関わりたいと思っていましたので、本当にいい機会に恵まれました。そんなに仕事も空けられないので週一回程度しか行けませんが、選手たちは喜んでくれているようです。逆にこちらが力をもらっています。野球理論、トレーニングもだいぶ変化しているようです。これから勉強して少しでも高橋監督の力になれたらなと思っています。

前回のセミナーの様子。手を当てて体に起きる変化を感じとる練習。参加者はこの後、互いに練習し合い感覚を研ぎ澄ませていった。
前回のセミナーの様子。手を当てて体に起きる変化を感じとる練習。参加者はこの後、互いに練習し合い感覚を研ぎ澄ませていった。

講師の松本先生へのインタビュー/9月17日開催「病院では原因が分からない痛み・しびれへの対応」

■現代医学の盲点


――松本先生には2007年に「治療院経営講座」というテーマでセミナーをおこなっていただきました。今回は臨床のお話がメインになります。現在の治療家としての先生の考えをお聞かせ下さい。
松本
現代医療についてですが、細分化、専門特化しすぎて全体が見えなくなっていることが気になっています(だから私達が食べて行けるとも言えるのですが・・・)。
今回のセミナーにおける「椎間板変性」は、全体的視点があれば医師ならとっくの昔に気づくようなこと。例えば腰痛の場合、医療現場では常に「ヘルニア」か「異常なし」の2者択一に近い診断が出され続けている。このことは、腰痛=「ヘルニア」の視点だけで診断がなされているということで現代医療の盲点と言えるのではないでしょうか。だからこそ、せめて私たち治療家がクライアントさんに寄り添って行かないと患者さんたちは救われないと思う今日この頃です。

■手技療法家の存在価値


――辛いけれども「異常なし」と言われる。患者さんは現代医学が万能ではないことに気がつきます。
松本)
医師は“医学博士”すなわち科学者ですから、曖昧な理論では診断できないのだろうと思っています。例えば今回の「椎間板変性」の理論においても、すべてが画像で判別できるわけではありません。痛みを訴える患者さんの椎間板内部をすぐ確かめることができる方法は現場にはなく、あったとしても、線維輪1枚2枚程度の小さな傷は画像には写りません。「椎間板変性」を思い付いたとしても、医師の責任として曖昧な仮説は言えないのだろうと考えています。
しかし、苦しんでいるクライアントさんにとっては、仮説だろうと真実であろうと、求めているのは結果です。ですから、結果が出るのであれば、私たち手技療法家の存在価値はそこにあると思います。

――「結果が出せるかどうか」、ですね。
松本
私たちは医療従事者ではないからこそ、自由に仮説を立てることが出来る訳です。反面、インターネットの普及により、誰でも自由に情報発信ができるようになりました。情報が氾濫している今、本当のことが見分けにくくなっている面もあります。だからこそ私たちは、過大でも過少でもなく等身大の情報を発信しなければなりません。集客と言う面も含まれますが、患者さんの利益のためには情報を正しく発信する技術も向上しなければならないと思っています。

■しびれの方が痛みよりとれにくい?


――手技療法が適用になるという前提ですが、痛みとしびれについてご意見を伺います。臨床では、個人的には痛みに比べてしびれの症状、特に慢性化している場合はなかなかとれにくいという印象がありますが、先生のご経験ではいかがですか?
松本)私は痛みもしびれも「神経によって感じるもの」と考えています。温感や冷感、動作制限も同様です。「神経のどこかに何らかの刺激が伝わったものが痛みやしびれ」だと考えていますので、とくにしびれが取れにくいと感じることはありません。
痛みとしびれの両方が症状として出ている場合に、どちらかが先に止まることはあります。確かに痛みの方が先に止まる場合が多い気はしますが、逆もよくあります。
一般的に痛みの方が症状が取れやすいと思われている理由は、筋肉の問題としての対処をされているからではないでしょうか? トリガーポイントセラピーなど筋肉に対してアプローチしている場合、確かに神経にはアプローチしていませんから痛みの方が明らかに早く改善すると思います。しかし、痛みもしびれも「神経の問題」と考えるとその差はほぼ無くなります。差があったとしても、いずれ改善することなので、あまり気にしません。

――痛みもしびれも「神経の問題」としてとらえておられるのですね。
松本)坐骨神経痛を例に挙げると、下肢に痛みとしびれ両方が合併して出ているとします。これを「椎間板変性」の視点で考えると、椎間板から出た刺激(ヘルニアになる以前も含めて)が坐骨神経に伝わった結果なので、感じ方が違うだけで同じ原因の症状となります。ですからそれほど差が無いという事です。
私が症状を考える時に最も意識するのは、大まかな神経の支配領域です。ただ、学者ではありませんので、厳密な神経高位にはこだわりません。「症状は神経で感じている」という前提で考えた時、症状が出ている領域の神経を遡って確認すると、その高位の神経根のあたりの椎間板が傷んでいることが大変多いです。

■クライアントさんのリピートについて


――施術をしてセルフケアも試していただく。その経過を知るには一定期間、来院していただくことが必要。フィードバックの有無で施術の質の向上度合いは変わってくると思うからです。重要な「リピート」についてご意見をお聞かせいただけますか。
松本)リピートについては、今回のテーマである「マッケンジー法の変法」の場合、「椎間板変性」が前提です。椎間板は治りにくいことがキチンとクライアントさんに伝われば、治りたい人は必然的にリピートする、ということになりますし、そのように説明します。
しかし、クライアントさんの多くは保険が利かないこともあり、出来るだけ早く通院を止めたい本音がある方も多いです。ですからクライアントさんの意識を「症状の解決」から「解決後の健康維持」もしくは「予防」に振り向けることが出来れば、リピート回数は案外伸びます。これがクライアント教育だと思っています。
重症または不安が大きかった方ほど、「同じ思いをしたくない」という意識からかリピート回数が多い傾向があります。最終的には症状の有無でなく、健康であるために必要なものとして施術を提供出来れば、リピート対策は万全だと考えています。ですからそのための工夫を怠らないようにしないといけないと思います。

――なるほど、ご説明ありがとうございます。詳細は9月のセミナーということで楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

講師の大内先生へのインタビュー②/7月16日開催「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法 Ⅱ」

■やさしく触れる


――操法は体だけでなく心にもアプローチしている?
大内)
「からだとこころ」とよくいわれるように両者は別々のものではありません。ご来院される皆様は、はじめは体のどこかに不調和をかかえて来院されますが、私はからだの症状だけでなく「こころ」にもアプローチしています。

――具体的には?
大内)
「やさしく触れる」ことです。そうすることで、言葉には出さなくても「こころ」の領域に「大丈夫ですよ」と語りかけることが出来ると思うのです。無意識下でからださんに「やさしく丁寧に扱われている」との安心感を感じていただけます。多次元操体法を開発された上川名先生は、これを「細胞が安心する触れ方」と仰います。
「体の全身あちこちに痛みが飛ぶ」という慢性的に体の調子が悪かった女性クライアント様が当院にいらっしゃいました。現在は調子が良くなってメンテナンスで通院されているのですが、その方はそのからだの状態を、当初、放置していたわけではないんです。何件もの整体、整骨院に通われ、その後、当院に来られたのですが「やさしく触れてもらって体が安心している」と言われました。

――「やさしく触れる」のは操法に限らないのですね。
大内)検査の時点でもそうです。体に触れるときは常に「やさしく触れる」ということを心掛けています。

■「いまここ」を味わう!


――プライベートを含め、何かホットな話題がありましたらお聞かせ下さい。
大内)
昨年、一昨年と2回、多次元操体法を共に学ぶ仲間と富士山に登っています。言いだしっぺは私なのですが、多次元合宿というのがありまして、その合宿の宴会で隣に座っていた先生に何気なく「今年は富士山に登りたいんだけど」と話したところいっきに話が決まってしまいました。
1回目は富士の頂上に立つのが目的で、2回目は御来光を拝むのが目的でした。登るのははっきり言って「つらい」の一言です。でも、頂上に立ったときの達成感や御来光を拝んだときの感動は非日常を味わうとともに何とも言えない瞬間でした。今年もその瞬間、瞬間、「いまここ」を味わうために登ってきます!

――情景が浮かんできますね! 7月16日のセミナーを楽しみにしております。本日はご対応ありがとうございました。

講師の大内先生へのインタビュー①/7月16日開催「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法 Ⅱ」

■セミナーの見所


――昨年に引き続き2回目のセミナーとなりますが、今年の見所を教えてください。
大内)
今回は副題として「たわめとつり合い」を上げさせていただきました。当日はワークも交えてこの「たわめとつり合い」をお伝えします。この感覚がつかめるようになると操法はバッチリ決まってきます。

――操法は絶妙な力加減が難しいと感じていました。
大内)
練習が必要ですが、この感覚を感じられるようになってから私は操法の精度が上がってきました。操体法の操法すべてに必要不可欠な感覚です。多次元操体法は技だけではありません。前回もお伝えしましたが、技の奥に隠された「触れ方や寄り添う」ことの大切さももう一度お伝えさせていただきます。

――オフレコの手技もあるそうですね。
大内)クライアントさんの首の痛みへの対応は結構むずかしくありませんか?「首に触れずに劇的に首の痛みを改善していく」という手技を当日はシェアさせていただきます。

■痛み・ズレ・歪みに対する考え方


――大内先生が「多次元操体法を学んでよかった」と実感する時はどんな時ですか?
大内)
痛みに対する考え方です。痛みは悪ではなく、何かを伝えたり、気づきを与えるため体にとって必要だから出ているものと考えます。自分の「からだとこころ」に向き合うための大切なメッセージとして捉えるのです。

――ズレや歪みに対する見方もそうでしたね。
大内
からだが少しでも楽になるよう出ていると考えます。歪むことにより体を守っているとも言えるのです。

――歪みから体が望んでいることを読み取る?
大内)体がそうすることで「何かメリットがあるのではないか」と考えます。

――参考になる症例がありましたらお聞かせください。
大内)指は動かせるのですが、「腕から先が動かせない、力が入らない」というクライアント様が来院されました。姿勢は肩を脱臼された方がとる姿勢とほぼ同じです。しかし、お話を聞く限り、また検査をしても肩は脱臼していません。にも関わらず、自動運動でまったく腕が挙がらないのです。

――腕が挙がらないとなると、カイロプラクティックでは棘上筋や三角筋の検査をしたり、頸椎を触診して異常がないか確認すると思います。原因がわからなければ、医療機関の受診をお勧めすることも考えます。どのような対応を?
大内)昨年のセミナーでデモとして披露させていただいた「歪みのある方向に、より歪ませる」という操法をやりました。「膝倒し三軸」といいます。回旋、側屈、屈曲、または背屈をその方の歪みに合わせるものです。

――あくまでも楽な方向に動かすのですね。
大内)はい。快感覚の方へ動かすのですが、これは「体はそちらに行きたがっているのだから、行かせてあげればいい」という考えだからです。この一手のみでクライアント様の腕は動かせるようになりました。当時のカルテを見返すと「耳まであと10度」と記入されていました。

――不思議です。より歪ませるようにして腕が動くようになるとは。「体はよくなるように出来ている」という橋本敬三先生(操体法の創始者)の言葉を思い出します。