2019年9月16日(月・祝)は小山章先生(B-reset代表)をお招きし、セミナー「お腹がほぐれるといろんな症状が改善する!」を開催します。
小山先生はどのような考え方でストレッチなどの手技をおこなっているのか? 参考まで前回(2016年1月11日)おこなわれた講義の説明を紹介します。
今回セミナーに参加される方は是非ご覧ください。
■B-reset式のアプローチとは?
本日のセミナーのテーマは「全身の筋バランスを回復! 関節を動かし手で状態を確認しながら効率よく緩める」です。B-resetでおこなっている私の手技は、大川学院で習ったスタイルとはだいぶかけ離れています。例えばカイロプラクティックの特徴的な手技、ポキッとキャビテーションが発生する関節操作、CMTはおこなっていません。ストレッチで代用しています。
それから主に関節を動かしながら手で筋緊張を緩和し循環を改善する手技をおこないます。ストレッチもそうですが、手技は筋肉に対し必要以上の力、負荷をかけないよう心掛けています。
■ストレッチで筋緊張が緩和すると
ストレッチで筋肉を伸ばすとどんな効果が得られるのでしょうか。
筋緊張が緩和するため筋ポンプ作用が回復し、循環がよくなります。心身はリラックスして疲労は回復、代謝も促進します。関節可動域も広がります。筋痛(疼痛)は軽減し傷害の予防やパフォーマンスの向上も期待できることでしょう。
これらの効果は皆、筋緊張が緩和して循環がよくなったことでもたらされたものです。つまりストレッチに限らず、筋緊張を緩めて血行をよくできる手技であれば同じ効果が出せると考えています。
■ストレッチの種類
ストレッチはおもに4種類あります。もっともポピュラーなのがスタティック(静的)ストレッチで、ゆっくりと時間をかけて伸ばすものです。
2つ目がダイナミック(動的)ストレッチ。サッカー選手がウォーミングアップとしておこなうブラジル体操としても有名です。プロ野球選手もキャンプなどでよくやっています。集団でジョギングしながらリズミカルに手足を動かし、体を捻ったりしているのを皆さんもテレビで見たことがあるかと思います。
3つ目が反動をつけるバリスティックストレッチ。聞きなれない言葉かもしれませんが、30代後半以上の方であれば、昔学校でやっていた柔軟体操だと思ってください。当時は「反動をつけて痛いところまで伸ばせ」とよく言われたと思います。あの柔軟体操がまさにそうです。
4つ目がPNFストレッチ。筋収縮を伸長に応用したりするものです。リハビリなどで使われます。
■ストレッチの使い分け
スポーツをする時はストレッチを使い分けると効果的です。例えば、ウォーミングアップではダイナミックストレッチを、クールダウンの時はスタティックストレッチを選択します。
運動前にスタティックストレッチをおこなうと、筋機能の低下を招くとの指摘があります。筋は伸ばしすぎると収縮しにくくなる面があるのでので注意が必要です。
強い反動を使うバリスティックストレッチも気を付けたいです。伸張反射が起こり筋スパズムを強くする恐れがあります。
■伸張反射に注意
伸張反射とは、筋線維の中にあるセンサー筋紡錘から、筋肉が急激に必要以上に伸ばされたという情報を中枢神経系が受け、脊髄レベルでその筋肉を収縮させる現象です。筋肉がダメージを受けないための防御反応なのですが、筋疲労がある時にこの強い伸張反射がおきると肉離れのような怪我を誘発することにもなりかねません。
伸張反射をおこさないためにはゆっくり筋を伸ばすことです。すると筋紡錘ではなく腱の中にあるセンサー、ゴルジ腱器官が反応します。
ゴルジ腱器官は腱が筋腹に向かって強く引っ張られた時に、筋の損傷を防ぐためにその筋を弛緩させようと働きます。ストレッチではこのゴルジ腱器官を有効に使いたいのです。
■脱力がポイント
ストレッチをおこなう時のポイントです。よく筋トレに例えてこう言います。「筋トレは筋肉に力を入れる行為」「ストレッチは力を抜く行為」と。ストレッチではまずは「力を抜きたい」んです。よって大事なのが受ける方の「脱力を意識する」ということ。
ストレッチをする時は「ため息をつくような」イメージで息を吐くと、力が抜けやすくてよいです。たまに「吸って~」「吐いて~」と過度に呼吸する方がいます。これは筋トレと同じく力が入ってしまいますから×です。
■支点・力点・作用点が決まればできる
ストレッチをする時は「支点(基点)をしっかり作る」ことも大切。以前、テレビでプロレスラーの鈴木みのる選手が関節技についてこう言っていました。
「関節技というのは支点、力点、作用点が成立すれば誰でもできるんだ」
ストレッチもまったく同じです。特に支点をしっかり作ることが大切で、これができると術者はとても楽になります、大概のストレッチは習得できると思います。
関節技とストレッチは似てるんですが強さが違います。ストレッチを間違って強くやってしまうと、伸張反射もおきて関節技的になり、相手に苦痛を与えてしまいます。
■最初は軽く徐々に大きく。可動域も比較しながら
ストレッチ操作は、はじめは軽く動かし、徐々に大きく動かし伸ばしていきます。柔軟性が低下している筋肉は、ある程度のスピードや強さのあるストレッチをされると筋スパズムを起こしやすいんです。これでストレッチに伴う怪我が防げます。
ストレッチは1種目につき20秒程かけ、3~5回繰り返します。効果を測定するために1回目との可動域の差も比較します。1回目と3回目、1回目と5回目というように奇数回でみていくとわかりやすいです。
■拮抗筋をストレッチする
症状が出ている筋肉を伸ばそうと思ってストレッチしても「なかなか伸びた感覚がない」ということはありませんか?
そういう時は拮抗側の筋肉が全然動いていない可能性があります。症状が出ているところではなく、反対側の筋肉にストレッチをし、拮抗筋のバランスがとれるようにするとよいです。
■ストレッチのコツ
ストレッチをする時は、関節と関節の間(関節面)を少し牽引し、それから動かすようにします。関節を牽引した時点で筋の起始部が少し伸ばされます。そこからさらに筋をストレッチしていくので術者は手技が楽にできます。
そのまま筋を伸ばしていったら抵抗を感じた位置でストップします。術者はその位置をキープ。これはとても大事です。
たいがい受けている人は、「そこでは伸びた感じがしない」と訴えます。でも筋肉からすれば、その位置こそが「ここでちょっと様子をみてほしい」と言っているポイントなんです。これを無視してグイッと伸ばすと、筋肉に不必要なストレスを与えることになります。
■ストレッチの禁忌
禁忌についてですが、これはストレッチに限らず通常の施術でも同様です。
まず、急性期のケガの時はストレッチはやってはいけません。捻挫や肉離れ、打撲等の直後です。筋肉や関節に炎症があるからです。炎症の5徴候は発赤 (rubor)、熱感 (calor)、腫脹 (tumor)、疼痛 (dolor)、機能障害。つまり患部が赤く腫れて熱感がある時はまずはアイシングです。冷やしてください。
それから体調がすぐれない時や、発熱など感染症状がある時、オーバーワークなど極度に疲労が激しい時もしてはいけません。
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