2018年3月21日セミナー開催報告

「コアトレ」による姿勢改善セミナー
~体調とスタイルを改善するコンディショニングメソッド~
 講師 金近道純先生はちおうじみずき通り整体院

■当院の紹介


こちらが外観と内観です。このようなカラーで彩豊かになるようにしています。
看板の左端に魚の「鯛」のマークがついていますが、これはいわれがありまして、皆さんの「こんな体になりたい」「こんな風になりたい」「こんな風にしたい」「それらを当院は応援したい」ということで作りました。駄洒落です(笑)。
そんな意味を込めて「鯛」にしています。時々「なんで金魚なんですか?」と言わるんですがこれは金魚ではありません!

講師の金近道純(かねちか みちよし)先生。プロフェッショナルコンディショニングトレーナーの資格を持つ。「はちおうじみずき通り整体院」では姿勢を重視し、コンディショニングと整体を組み合わせ施術を提供している。
「はちおうじみずき通り整体院」の外観と内観
左端には鯛のマークが!

■「コアトレ」の別名は「頑張らない運動」


「コアトレ」のお話をさせていただきます。
「コア」についてはいろいろ考え方がありますので、姿勢改善もそうですが私がやっていることは一つの方法として見て頂き、その中から少しでも参考になる部分があれば嬉しく思います。
皆さんは「コアトレ」と聞いてどう思われますか? 腹筋・背筋をガンガンやって体幹を鍛えていく、そのようなイメージはありませんか?
「コアトレ」は別名「頑張らない運動」とも言われます。頑張らずに体を整えて体の調子、姿勢を改善していきます。この「筋肉を鍛えるのではなく整える」というのが一つのキーワードです。

午前中はプロジェクターを使った講義。「姿勢」や「コア」について解説。

■姿勢が歪んでいない人はいない


姿勢というのは要は骨格が並んだもので中心となるのが「背骨」です。
骨には「筋肉」が付着していますが、この筋肉が「重力に逆らって骨格を支えている」ということをまずは理解していただきたいと思います。
姿勢の良し悪しが体調に与える影響は大きいですね。例えば猫背の人というのはこんな感じになります。

猫背を再現。姿勢はからだに影響を与えるが、全く姿勢が歪んでいない人はいない、とのこと。

頭が前に出るため、肩周りの筋肉は過緊張となり肩が凝ります。
腰が丸まって腰椎の前弯も崩れ、腰が痛くなることもあります。胸郭が圧迫されるので呼吸は浅くなりますし、お腹の圧迫で血流が悪くなり内臓の働きも低下します。
このように体に影響を与える姿勢ですが、忘れずに必ず付け加えている説明があります。それは「そもそも姿勢が歪んでない人はいないんですよ」ということです。
実際、私は姿勢が歪んでない方を見たことがありません。ですから姿勢というのは「あなたの特徴、個性なんですよ」という風にもお伝えしています

■良い姿勢とは?


いわゆる「良い姿勢」というのは、筋肉や骨格にかかる負担が最も少ない姿勢と一般的に言われます。「疲れにくく」「動きやすい」姿勢です。内臓が圧迫されにくいという事を考えれば「病気にもなりにくい」とも言えます。
具体的にはどの姿勢が「良い姿勢」か?
理想は正面から見て背骨が真っすぐで、横から見ればきれいなS字湾曲(生理的S字湾曲)をしている。繰り返しになりますが、姿勢が全く歪んでいないという人はいませんからあくまでも理想です。
ご来院された方で「自分は姿勢がいい」と仰る方でも、背骨のS字カーブが出来ていなかったりすることがあります。ですので、考え方としては「少しでもよい方向に姿勢を改善していきましょう」ということで話をしていきます。

■「良い姿勢」の目安


「良い姿勢」の目安は、横から見た時に、耳たぶ、肩峰、胸郭中央、大転子、膝中央、くるぶしの少し前が垂直で、かつ一直線になることと言われています。きっと皆さんの中にも「これらを意識して普段生活するようにしてくださいね」と指導されている方もおられるのではないでしょうか。実は当院は現在はそのような指導はおこなっていません。
例えば、「顎を引いて」「背筋を伸ばして」「腰のカーブを作って」「重心は真ん中に・・・」と言って「できました、これがいい姿勢です!これで生活して下さい」と言っても、クライアントさんは出来ないんですよね。
ではどう考えるか?「こうすることが良い姿勢」というのではなく「良い姿勢だと自然にこうなる」という風に捉えています。
「いろいろな部分を意識しながらやっと正しく立てる」のではなく、何も意識しなくてもキチンと立てる。それを目指して体を整えていきます。

クライアントさんの姿勢の変化、before&afterも紹介

■姿勢の歪み


姿勢はなぜ歪むのか? 原因は「筋肉のアンバランス」「日常生活の中でのからだの使い方」です。寝る、座る、立つ、歩く、それらの普段のクセにより「使い過ぎの筋肉」と「使えていない筋肉」が出てくるからです。これはメソッドをおこなっていくうえで重要な考え方。
筋肉のアンバランスがある状態でどんなに形だけ姿勢を正そうとしても、その部分の負担が増すだけで、体にはまた力が入ってしまいます。
いろんなアンバランスがありますが、現代社会という意味でよくみられるのは「コアが使えず、背骨周りが緊張している」パターン。
コアについては後ほど詳しくお伝えしますが、今は簡単に「腹部」と捉えていてください。
姿勢を正す時に、背筋をグッと伸ばす方が多いと思いますがそうではなく、体は「お腹で支える」ものなのです。しかしコアが使えていない方が多いので、すると背骨のS字カーブも出来てこない。実演するとコアが使えない姿勢というのはこのような「腰が引けた姿勢」です。

コアが使えていないため腰が少し丸まってしまった姿勢。臨床ではよく遭遇するとのこと

■「使えていない」筋肉と「使い過ぎ」の筋肉


からだはコアと背骨だけで出来ているわけではありませんから、その他のところにも歪みの原因はあります。
コア以外に「使えていない筋肉」の代表例としてまず思い浮かぶのは中殿筋後部。下肢を外旋させる筋肉です。脚をしっかり閉じておく内転筋群や腕の上腕三頭筋、背中の菱形筋もです。
逆に「使い過ぎている筋肉」の代表例は脊柱起立筋。コアが働いていない分こちらが働かされてしまっているんですね。
それから、背骨と脚をつなぐ大腰筋。立っている時も座っている時も使っている筋肉なので、使いすぎでカチカチに固まっているケースがよく見受けられます。

「コンディショニングメソッド」は有吉与志恵先生が確立。有吉先生の著書『コンディショニングスタートブック』と『正しい体幹トレーニング』。金近先生は、「機会があれば、一般社団法人 日本コンディショニング協会のワークショップも是非受けてみてください!」と皆さんに説明。
はセルフでできるコンディショニングも体験。筋肉を整えることでからだが軽くなるのを実感。

■参加された皆様の感想


  • クライアントさん向けにはもっと勉強しないとむずかしいと思いましたが、毎日自分のコンディションを整えることができそうです。ありがとうございました。
  • ドローイン以外の呼吸法がわかってよかったです。ガンバらないトレーニングも自分がやっている事に近いと思いました。
  • クライアント様に合ったものをいくつか取り入れたいと思いました。
  • 鍛えるのではなく整える発想を運動指導施術に生かしたい。
  • 呼吸の仕方を深く勉強したいと思いました。強く押すだけでなくゆるめるのも大事だと思いました。
  • 烏口突起を押さえてのコンディショニングは即効性がありすごいです。
  • すべてのバリエーションを取り入れるのは難しいですが、自分の施術の要所要所に取り入れさせて頂きます。本日はありがとうございました。
  • 姿勢を気にしている患者さんは多く、施術の一部に取り入れたいと思います。患者さんの体の使い方が姿勢に履歴書となって表れているということに納得しました。筋肉が脳を表現する、まさにその通りだと思いました。患者さんの理解にも役立てられそうです。