講師の安藤先生へのインタビュー/10月8日開催「カラダの使い方を深める!」

■呼吸について


――安藤先生は呼吸法の指導を臨床に取り入れておられますが、クライアントさんによっては「指導が難しい」と感じる時はありませんか? 呼吸はすべての人がいつもおこなっているものだけに、その重要性についてピンと来る人、来ない人の差が大きい気がするからです。
安藤)
クライアントさんは難しいことを教わっても続きません。私は特別な難しい呼吸法を取り入れている訳ではないんです。呼吸の重要性についてピンと来ない方には、理屈よりも一緒に呼吸を使って動いてみること。「どれだけ楽に動けるか」を実感してもらうのが一番です。
呼吸に合わせて歩いてみる。呼吸しながら物を持ち上げてみる。指導というよりも一緒にやってみる、これにつきます。

――昨年のセミナーで実演されたように、「フーッ」と口から吐きながら、立ったり座ったり、歩くのですね。
安藤)
そうです。私が習っているシステマの呼吸はわかりやすくていいかなと思います。ただ鼻から吸って口から「フーッ」と吐くだけですから。

――システマ公認インストラクターの北川貴英先生も2014年1月のセミナーで、「わからなくなったら、とにかく鼻から吸って口から吐いて」と説明されていました。システマの呼吸はこのわかりやすさがよいですね。
安藤)
応用もいろいろあります。例えば、心身ともに強い緊張状態で、自分にかかる負荷が強い時はバーストブリージングという方法を使います。「フッ、フッ、フッ、フッ」と短く早く呼吸ようにするだけです。
呼吸についてはセミナー当日、「胸郭と脊椎と横隔膜の関係」「体の内圧を下げる」「呼吸によって余計な動きを省く」「呼吸で姿勢を整える」など、その重要性も併せて詳しく説明しようと思います。

■坐骨神経痛へのアプローチ


――来院される方の症状として多い、坐骨神経痛についてお尋ねします。例えば、脊柱管狭窄症と病院で診断され、殿部や脚のしびれ、痛みで来院された方に対してはどのようなアプローチをされますか?
安藤)
脊柱管狭窄症はご存知の通り、脊柱管内の変性ですので、手術する以外には変えることはできません。ここで大事なのは、そもそもその痛みは本当に脊柱管狭窄症によるものなのか? ということです。馬尾症候群などの症状が出ているなど、ごく僅かなケースを除いては手術の必要はありません。手術は最終手段、まずは保存療法でやってみましょうと。
間欠性跛行を例に挙げると、ほとんどの方は腰から脚にかけての筋緊張が強く、足に重りを付けているような歩き方をしています。こんな歩き方ならば誰でもきつくなって休み休みでないと歩けません。血流制限しながら歩いているようなものです。
手押し車などを利用すれば、手をつくことで物理的に負荷が減るのはもちろん、心理的にも安心感が得られます。結果、腰から下の緊張がやわらぎ、長距離の歩行が可能になります。

――心理面の緊張も症状を強くしているわけですね。
安藤)
改善していくためには筋緊張をやわらげる施術、歩行トレーニングとともに、「痛いけど大丈夫!」という自信を回復させることが大切なのです。実際、多くの方が時間の経過とともに少しずつ歩く距離を伸ばしてくれています。
ただ歩くことを目標にするのではないんです。「歩けたらまた旅行に行きたい」「ゴルフをやりたい」などの具体的な目標を立てること。そして一緒にその目標に向かうことが大切です。こちらも詳しくはセミナー当日にお話しします。

■セミナーの見所


――今回のセミナーは全般的にはどんな内容になりますか?
安藤)私セミナーは具体的なテーマを絞った方が分かりやすくていいのでしょうが、私自身これといったものがないので、手技、エクササイズ、身体動作、コミュニケーションについて地道にやる仕事を伝えていこうと考えています。
今回も特別なことがあるわけではありませんが、CMTについては少し突っ込んでするつもりです。関節操作が上手になると、筋肉の扱いも上手になりますし、よりカラダの動きを理解できると考えているからです。
質問、要望がおありでしたら、事前にJACM事務局までお問合せください。当日は多くの参加お待ちしております。

■野球部のトレーナー兼コーチに就任


――実践的な内容のセミナーになりそうで楽しみです。最後に、セミナー以外でも結構ですので、何かホットな話題がありましたらお聞かせ下さい。
安藤)
昨年から都立高校の硬式野球部の外部指導員としてトレーナー兼コーチを務めています。きっかけは、以前、大川学院で講師をされ、かつ、なかのぶ院(直営院)の院長としても活躍されていた高橋順先生からのお誘いです。高橋先生は現在、高校の教員をされており、硬式野球部の監督に就任されたのです。
私もいつか高校野球に関わりたいと思っていましたので、本当にいい機会に恵まれました。そんなに仕事も空けられないので週一回程度しか行けませんが、選手たちは喜んでくれているようです。逆にこちらが力をもらっています。野球理論、トレーニングもだいぶ変化しているようです。これから勉強して少しでも高橋監督の力になれたらなと思っています。

前回のセミナーの様子。手を当てて体に起きる変化を感じとる練習。参加者はこの後、互いに練習し合い感覚を研ぎ澄ませていった。
前回のセミナーの様子。手を当てて体に起きる変化を感じとる練習。参加者はこの後、互いに練習し合い感覚を研ぎ澄ませていった。

講師の松本先生へのインタビュー/9月17日開催「病院では原因が分からない痛み・しびれへの対応」

■現代医学の盲点


――松本先生には2007年に「治療院経営講座」というテーマでセミナーをおこなっていただきました。今回は臨床のお話がメインになります。現在の治療家としての先生の考えをお聞かせ下さい。
松本
現代医療についてですが、細分化、専門特化しすぎて全体が見えなくなっていることが気になっています(だから私達が食べて行けるとも言えるのですが・・・)。
今回のセミナーにおける「椎間板変性」は、全体的視点があれば医師ならとっくの昔に気づくようなこと。例えば腰痛の場合、医療現場では常に「ヘルニア」か「異常なし」の2者択一に近い診断が出され続けている。このことは、腰痛=「ヘルニア」の視点だけで診断がなされているということで現代医療の盲点と言えるのではないでしょうか。だからこそ、せめて私たち治療家がクライアントさんに寄り添って行かないと患者さんたちは救われないと思う今日この頃です。

■手技療法家の存在価値


――辛いけれども「異常なし」と言われる。患者さんは現代医学が万能ではないことに気がつきます。
松本)
医師は“医学博士”すなわち科学者ですから、曖昧な理論では診断できないのだろうと思っています。例えば今回の「椎間板変性」の理論においても、すべてが画像で判別できるわけではありません。痛みを訴える患者さんの椎間板内部をすぐ確かめることができる方法は現場にはなく、あったとしても、線維輪1枚2枚程度の小さな傷は画像には写りません。「椎間板変性」を思い付いたとしても、医師の責任として曖昧な仮説は言えないのだろうと考えています。
しかし、苦しんでいるクライアントさんにとっては、仮説だろうと真実であろうと、求めているのは結果です。ですから、結果が出るのであれば、私たち手技療法家の存在価値はそこにあると思います。

――「結果が出せるかどうか」、ですね。
松本
私たちは医療従事者ではないからこそ、自由に仮説を立てることが出来る訳です。反面、インターネットの普及により、誰でも自由に情報発信ができるようになりました。情報が氾濫している今、本当のことが見分けにくくなっている面もあります。だからこそ私たちは、過大でも過少でもなく等身大の情報を発信しなければなりません。集客と言う面も含まれますが、患者さんの利益のためには情報を正しく発信する技術も向上しなければならないと思っています。

■しびれの方が痛みよりとれにくい?


――手技療法が適用になるという前提ですが、痛みとしびれについてご意見を伺います。臨床では、個人的には痛みに比べてしびれの症状、特に慢性化している場合はなかなかとれにくいという印象がありますが、先生のご経験ではいかがですか?
松本)私は痛みもしびれも「神経によって感じるもの」と考えています。温感や冷感、動作制限も同様です。「神経のどこかに何らかの刺激が伝わったものが痛みやしびれ」だと考えていますので、とくにしびれが取れにくいと感じることはありません。
痛みとしびれの両方が症状として出ている場合に、どちらかが先に止まることはあります。確かに痛みの方が先に止まる場合が多い気はしますが、逆もよくあります。
一般的に痛みの方が症状が取れやすいと思われている理由は、筋肉の問題としての対処をされているからではないでしょうか? トリガーポイントセラピーなど筋肉に対してアプローチしている場合、確かに神経にはアプローチしていませんから痛みの方が明らかに早く改善すると思います。しかし、痛みもしびれも「神経の問題」と考えるとその差はほぼ無くなります。差があったとしても、いずれ改善することなので、あまり気にしません。

――痛みもしびれも「神経の問題」としてとらえておられるのですね。
松本)坐骨神経痛を例に挙げると、下肢に痛みとしびれ両方が合併して出ているとします。これを「椎間板変性」の視点で考えると、椎間板から出た刺激(ヘルニアになる以前も含めて)が坐骨神経に伝わった結果なので、感じ方が違うだけで同じ原因の症状となります。ですからそれほど差が無いという事です。
私が症状を考える時に最も意識するのは、大まかな神経の支配領域です。ただ、学者ではありませんので、厳密な神経高位にはこだわりません。「症状は神経で感じている」という前提で考えた時、症状が出ている領域の神経を遡って確認すると、その高位の神経根のあたりの椎間板が傷んでいることが大変多いです。

■クライアントさんのリピートについて


――施術をしてセルフケアも試していただく。その経過を知るには一定期間、来院していただくことが必要。フィードバックの有無で施術の質の向上度合いは変わってくると思うからです。重要な「リピート」についてご意見をお聞かせいただけますか。
松本)リピートについては、今回のテーマである「マッケンジー法の変法」の場合、「椎間板変性」が前提です。椎間板は治りにくいことがキチンとクライアントさんに伝われば、治りたい人は必然的にリピートする、ということになりますし、そのように説明します。
しかし、クライアントさんの多くは保険が利かないこともあり、出来るだけ早く通院を止めたい本音がある方も多いです。ですからクライアントさんの意識を「症状の解決」から「解決後の健康維持」もしくは「予防」に振り向けることが出来れば、リピート回数は案外伸びます。これがクライアント教育だと思っています。
重症または不安が大きかった方ほど、「同じ思いをしたくない」という意識からかリピート回数が多い傾向があります。最終的には症状の有無でなく、健康であるために必要なものとして施術を提供出来れば、リピート対策は万全だと考えています。ですからそのための工夫を怠らないようにしないといけないと思います。

――なるほど、ご説明ありがとうございます。詳細は9月のセミナーということで楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

2018年10月8日(月・祝)開催

大川カイロプラクティックセンターとごし銀座院セミナー
「カラダの使い方を深める!」
 講師 安藤崇先生 とごし銀座院

JACMセミナー講師 安藤崇院長(とごし銀座院)
安藤崇院長(とごし銀座院)

世の中には様々な手技がありますが、私が伝えたいことは名前のついたテクニックではありません。応用出来るカラダの使い方です。今回も手技、エクササイズ、身体動作、コミュニケーションについてなど全てを含んで、地道にやる仕事を伝えていこうと考えています。
CMT(カイロプラクティックの関節操作、アジャストメント)についてはこれまでよりも少し突っ込んだ内容でおこないます。関節操作が上手になると、筋肉の扱いが上達し、カラダの動きもより理解できるようになるからです。
終了後は今現在されているお仕事が「より面白い」と思えるような楽しいセミナーにしたいと思います。皆様のご参加をお待ちしております!

■内容


呼吸を上手に利用する。
「システマブリージング」「呼吸で姿勢を整える」など。
「腰痛、下肢痛などで歩けない方」「間欠性跛行の方」へのアプローチ。
「投球での痛み」「肘の痛み」についての対処方法。
「CMTを深める」など。

頸椎の緩め方を実演する安藤院長。2017年のセミナーの様子。
頸椎の緩め方を実演する安藤院長。2017年のセミナーの様子。

MEMO

◎システマ ・・・ 実戦的格闘術として注目を集めるロシアの武術、軍隊格闘術。徹底した脱力と柔らかな動作が特徴。
◎システマブリージング ・・・ システマで使われる呼吸法。呼吸をすることでリラックスして体や心を解放しその能力を最大限に引き上げる。一番の効果は「恐怖心をコントロールすること」ともされている。
◎間欠性跛行 ・・・ しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる症状。
関節操作が上手になると、筋肉の扱いも上手くなります。
関節操作が上手になると、筋肉の扱いも上手くなります。
胸椎屈曲CMT(チェスタードロップ)を実演しているところ
胸椎屈曲CMT(チェスタードロップ)を実演しているところ

■講師/プロフィール


安藤 崇先生
2001年 大川カイロプラクティックセンター五反田院院長
2002年 大川カイロプラクティックセンター逗子院院長
2003年~大川カイロプラクティックセンターとごし銀座院院長
大川カイロプラクティック専門学院 テクニック講師
JACM認定カイロプラクター
全国柔整鍼灸協同組合 カイロ&オステ研究会講師

■院の所在地


大川カイロプラクティックセンターとごし銀座院
東京都品川区戸越2-1-4 タウンプラザ1階
TEL:03-3788-0718

安藤院長ととごし銀座院のスタッフの皆さん

セミナー開催場所


大川グループ ケアシステムズ
日本カイロプラクティック医学協会 セミナースペース
東京都品川区東五反田1-6-3 いちご東五反田ビルB1F
TEL 03-3445-3895

受講料


JACM会員…無料、非会員(学生・卒業生・一般)…1万円

■参加申込&お問合せ先


会員の皆様・・・JACM事務局のメールアドレス
一般の方・・・お問合せフォームをご利用ください。

■参加される方へのお願い


  • 事前のご予約をお願いします。 申込者多数の場合は先着順とさせていただきます。
  • 当日は動きやすい服装でお越しください。
  • スペースの都合上、大きな荷物などは控えていただきますと幸いです。
  • お着替えが必要な場合はお手洗いをご利用ください。
  • セミナー時のビデオ等での録音、録画は禁止しております。

講師の大内先生へのインタビュー②/7月16日開催「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法 Ⅱ」

■やさしく触れる


――操法は体だけでなく心にもアプローチしている?
大内)
「からだとこころ」とよくいわれるように両者は別々のものではありません。ご来院される皆様は、はじめは体のどこかに不調和をかかえて来院されますが、私はからだの症状だけでなく「こころ」にもアプローチしています。

――具体的には?
大内)
「やさしく触れる」ことです。そうすることで、言葉には出さなくても「こころ」の領域に「大丈夫ですよ」と語りかけることが出来ると思うのです。無意識下でからださんに「やさしく丁寧に扱われている」との安心感を感じていただけます。多次元操体法を開発された上川名先生は、これを「細胞が安心する触れ方」と仰います。
「体の全身あちこちに痛みが飛ぶ」という慢性的に体の調子が悪かった女性クライアント様が当院にいらっしゃいました。現在は調子が良くなってメンテナンスで通院されているのですが、その方はそのからだの状態を、当初、放置していたわけではないんです。何件もの整体、整骨院に通われ、その後、当院に来られたのですが「やさしく触れてもらって体が安心している」と言われました。

――「やさしく触れる」のは操法に限らないのですね。
大内)検査の時点でもそうです。体に触れるときは常に「やさしく触れる」ということを心掛けています。

■「いまここ」を味わう!


――プライベートを含め、何かホットな話題がありましたらお聞かせ下さい。
大内)
昨年、一昨年と2回、多次元操体法を共に学ぶ仲間と富士山に登っています。言いだしっぺは私なのですが、多次元合宿というのがありまして、その合宿の宴会で隣に座っていた先生に何気なく「今年は富士山に登りたいんだけど」と話したところいっきに話が決まってしまいました。
1回目は富士の頂上に立つのが目的で、2回目は御来光を拝むのが目的でした。登るのははっきり言って「つらい」の一言です。でも、頂上に立ったときの達成感や御来光を拝んだときの感動は非日常を味わうとともに何とも言えない瞬間でした。今年もその瞬間、瞬間、「いまここ」を味わうために登ってきます!

――情景が浮かんできますね! 7月16日のセミナーを楽しみにしております。本日はご対応ありがとうございました。

講師の大内先生へのインタビュー①/7月16日開催「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法 Ⅱ」

■セミナーの見所


――昨年に引き続き2回目のセミナーとなりますが、今年の見所を教えてください。
大内)
今回は副題として「たわめとつり合い」を上げさせていただきました。当日はワークも交えてこの「たわめとつり合い」をお伝えします。この感覚がつかめるようになると操法はバッチリ決まってきます。

――操法は絶妙な力加減が難しいと感じていました。
大内)
練習が必要ですが、この感覚を感じられるようになってから私は操法の精度が上がってきました。操体法の操法すべてに必要不可欠な感覚です。多次元操体法は技だけではありません。前回もお伝えしましたが、技の奥に隠された「触れ方や寄り添う」ことの大切さももう一度お伝えさせていただきます。

――オフレコの手技もあるそうですね。
大内)クライアントさんの首の痛みへの対応は結構むずかしくありませんか?「首に触れずに劇的に首の痛みを改善していく」という手技を当日はシェアさせていただきます。

■痛み・ズレ・歪みに対する考え方


――大内先生が「多次元操体法を学んでよかった」と実感する時はどんな時ですか?
大内)
痛みに対する考え方です。痛みは悪ではなく、何かを伝えたり、気づきを与えるため体にとって必要だから出ているものと考えます。自分の「からだとこころ」に向き合うための大切なメッセージとして捉えるのです。

――ズレや歪みに対する見方もそうでしたね。
大内
からだが少しでも楽になるよう出ていると考えます。歪むことにより体を守っているとも言えるのです。

――歪みから体が望んでいることを読み取る?
大内)体がそうすることで「何かメリットがあるのではないか」と考えます。

――参考になる症例がありましたらお聞かせください。
大内)指は動かせるのですが、「腕から先が動かせない、力が入らない」というクライアント様が来院されました。姿勢は肩を脱臼された方がとる姿勢とほぼ同じです。しかし、お話を聞く限り、また検査をしても肩は脱臼していません。にも関わらず、自動運動でまったく腕が挙がらないのです。

――腕が挙がらないとなると、カイロプラクティックでは棘上筋や三角筋の検査をしたり、頸椎を触診して異常がないか確認すると思います。原因がわからなければ、医療機関の受診をお勧めすることも考えます。どのような対応を?
大内)昨年のセミナーでデモとして披露させていただいた「歪みのある方向に、より歪ませる」という操法をやりました。「膝倒し三軸」といいます。回旋、側屈、屈曲、または背屈をその方の歪みに合わせるものです。

――あくまでも楽な方向に動かすのですね。
大内)はい。快感覚の方へ動かすのですが、これは「体はそちらに行きたがっているのだから、行かせてあげればいい」という考えだからです。この一手のみでクライアント様の腕は動かせるようになりました。当時のカルテを見返すと「耳まであと10度」と記入されていました。

――不思議です。より歪ませるようにして腕が動くようになるとは。「体はよくなるように出来ている」という橋本敬三先生(操体法の創始者)の言葉を思い出します。

2018年9月17日(月・祝)開催

病院では原因が分からない痛み・しびれへの対応
~マッケンジー法の変法をご紹介~

講師 松本 斉先生
壮快カイロプラクティック

壮快カイロプラクティック/松本先生
壮快カイロプラクティック院長 松本斉先生

私は開業以来、マッケンジー法の効果に惹かれ、大川泰先生の著書や標準整形外科学第8版などを参考に、独自の視点で工夫を重ねてきました。患者さんに仮説を説明のうえ協力をお願いし、試すことで結果も検証してきました。その結果得られた結論は、「病院で分からない痛みやしびれの原因の多くは、椎間板変性が非常に多いのではないか」というものです。

近年では医学界では「腰痛の80%は原因不明」とも言われますが、実際には本当の原因不明は、私はそんなに多くはないと思っています。あくまでも仮説の域を出ませんが、私はその原因不明の多くがこの椎間板変性だと考えているのです。

医学界で原因不明とされる理由の推論については、当日に詳しく説明させていただきますが、原因不明である限り具体策はなく、従って病院では全く解決できなかったといって来院される方が非常に多いものです。逆にいえば、病院で手も足も出なかった症例を難なく解決出来たら、患者さんからは非常に高い信頼が得られます。

松本先生の施術風景
松本先生の施術風景。からだがどのようになっているか、どのような施術をおこなうか、理解していただくための説明を大切にしている。

セミナー当日は、私が普段繰り返し使っているこの【マッケンジー法の変法】を詳しくお伝えします。技術そのものは全く難しくありません。やろうと思えば素人でも出来てしまいます。難しさがあるとすれば、考え方や状況の読み方、全体のシステムとしてのまとめ方です。

私は自分が考え、実践してきた手法ですから特に難しいとは思いませんが、慣れるまでは難しく感じられるかもしれません。そんなノウハウですが、ご興味があれば詳しく説明させて下さい。そしてもし、何らかのお役に立つのであれば、使ってみてください。皆様のご参加をお待ちしております。

■開催日時


2018年9月17日(月・祝)【11:00am~4:00pm/昼休憩あり】

■内容


● 椎間板整復法(マッケンジー法の変法)構築の経緯
● 仮説の構築
● 椎間板変性の説明と発生の仕組み
● 椎間板変性の好発部位と部位別の症状
(※症状の種類を見ると整体院の需要の多くを幅広く網羅していることが分かります)
【頸椎】
 頚部痛、頭痛、目の奥の痛み、腕の痛み・しびれ、肩の痛み、胸の痛み(胸部筋肉)、喉の違和感、背中の痛み、肩甲骨の痛み、まれに歯の痛み(虫歯ではない)など
【胸椎腰椎接続部】
 胃の痛み、背中の痛み、肋骨の痛みなど
【腰椎】
 腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、臀部の痛み、恥骨痛(産後骨盤矯正希望の方に多い)、まれに肛門の痛みなど

講師/プロフィール


江東区深川にある壮快カイロプラクティック
江東区深川にある壮快カイロプラクティック

松本 斉先生
壮快カイロプラクティック 院長
<経歴>
・ (株)学研在職中2002年4月に大川学院(本科・夜間部)に入学
・ 直営院りらっくすステーション、五反田院スタッフを経て2003年8月武蔵小山院の院長に就任
・ 2004年2月門前仲町に「壮快カイロプラクティック」開業
・ 2007年4月「三ノ輪院」OPEN
・ 2007年10月門前仲町に託児付きマンション物件「壮快カイロプラクティックformom」OPEN
・ 2010年6月託児室を本院内に移設
・ 2012年3月「三ノ輪院」閉鎖
・ 2013年3月最後のスタッフを見送って一人治療院に戻る

講師の先生が経営する院


壮快カイロプラクティック
東京都江東区深川2-5-8 クリスタル門仲一階
TEL 0120-63-5374

セミナー開催場所


大川グループ ケアシステムズ
日本カイロプラクティック医学協会 セミナースペース
東京都品川区東五反田1-6-3 いちご東五反田ビルB1F
TEL 03-3445-3895

受講料


JACM会員…無料、非会員(卒業生・一般)…1万円

■参加申込&お問合せ先


会員の皆様・・・JACM事務局のメールアドレス
一般の方・・・お問合せフォームをご利用ください。

■参加される方へのお願い


当日は動きやすい服装でお越しください。
スペースの都合上、大きな荷物などは控えていただきますと幸いです。
お着替えが必要な場合はお手洗いをご利用ください。
セミナー時のビデオ等での録音、録画は禁止しております。

2018年7月16日(月・祝)開催

治し方は体が知っている!
「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法Ⅱ」
「たわめ」と「釣り合い」

講師 大内和幸先生
南福島整体院

前回参加された方も、参加されていない方も、どちらも楽しく学んで頂けます!

■痛む部位には触れず少しの刺激を与えるだけ


2017年7月のセミナーで多次元操体法の基本哲学を説明する大内先生。

私は痛みがある部分にはほとんど触れません。
「痛みは結果であって原因ではない」と考えているからです。
痛みは一旦脇に置いておいて、原因にアプローチします。
施術はほんの少しの刺激を与えるだけです。
クライアント様から「どうしてこんな弱い力でカラダが変わるんですか?」とよく聞かれます。
私は「あなたの内側に体を変化させていく凄いチカラがあるからですよ」とお答えしています。
この「凄いチカラ」を引き出すお手伝いをする施術が、上川名おさむ先生が従来の操体法に独自のアレンジを加えた多次元操体法」です。 前回のセミナーでは多次元操体法のエッセンスをご紹介させて頂きました。
前回の実技は「仰臥位の基本操法」がメインでした。今回はその復習の他、「座位」や「腹臥位」な どの操法の実技を中心に行います。操体法を行う上での「心のあり方」ももう一度お話いたします。出来るだけ、参加されたお一人お一人に実際の操体法を受けていただくことも考えており、参加者特典のオフレコとして「首を触れずに首の痛みを改善」する手技も実演します。今年も是非、いっしょに学びましょう!

■「多次元操体法」とは?


上川名おさむ先生仙台やすらぎの杜整体院)が操体法(橋本敬三先生創始)に独自のアレンジと哲学を落とし込み作り上げた新しい整体です。その哲学・考え方に感銘し、皆様に是非ご紹介したいと考え、セミナーを開催させていただく運びとなりました。
多次元操体法は従来の操体法をより効果が出やすいよう改良したものですので、当日は操体法の基本も学んでいただけます。
橋本敬三先生は自然法則を大切にされ、
体は治るように出来ている」
「気持ちよさを味わえばよくなっていく」
と仰られました。「こちらから何かをしてやろう」ではなく、あくまでも「体が良くなっていくお手伝いをする」。このような考え方があることを知って頂き、皆様の施術にも応用していただければと考えております。

動診で肩の動きを確認。からだがどうなっているのか、クライアントさんと情報を共有することが大切。
操法のデモンストレーションをおこなっているところ。今回は参加者の方に出来るだけ操法を受けて体験していただきたいとのこと。
たくさんの方にご参加いただいた昨年のセミナー。終了後に記念撮影。

■開催日時


2018年7月16日(月・祝)【11:00am~4:00pm/昼休憩あり】

■内容


多次元操体法の基本哲学
「私は治せないし治しません」
「治し方は体が知っている」
「痛みがある部分に触れないけど良くなっていく世界」他

多次元操体法のエッセンスを取り込んだ実技練習
施術者の心の持ち方、クライアントさんへの触れ方、接し方、 施術者の体の使い方などを踏まえたうえで練習をおこないます。操体法の基本も含みます。

講師/プロフィール


大内和幸先生
南福島整体院 代表
大川カイロプラクティック専門学院卒業(第4期生)

「踵伸ばし操法」を実演する大内先生

講師の先生が経営する院


南福島整体院
福島県福島市永井川字壇ノ腰3-1
TEL 024-545-5370
「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法」南福島整体院 大内和幸先生 日本カイロプラクティック医学協会(JACM)主催セミナー

セミナー開催場所


大川グループ ケアシステムズ
日本カイロプラクティック医学協会 セミナースペース
東京都品川区東五反田1-6-3 いちご東五反田ビルB1F
TEL 03-3445-3895

受講料


JACM会員…無料、非会員(卒業生・一般)…1万円

■参加申込&お問合せ先


会員の皆様・・・JACM事務局のメールアドレス
一般の方・・・お問合せフォームをご利用ください。

■参加される方へのお願い


当日は動きやすい服装でお越しください。
スペースの都合上、大きな荷物などは控えていただきますと幸いです。
お着替えが必要な場合はお手洗いをご利用ください。
セミナー時のビデオ等での録音、録画は禁止しております。

講師の金近先生へのインタビュー④/3月21日開催「コアトレによる姿勢改善セミナー」

■自分に適したものを身につける


――短距離の記録が伸びているというのは、使う道具類もよくなっているということもありますか?
金近)あります。シューズもウエアもそうだしグランドもよくなっています。

――フォームについてですが、人類史上最速のウサインボルト選手は結構、体が揺れる、特徴的な走り方をされます。
金近)テレビの特集で彼は側弯があると言っていました。それを前提にするとあの動きが正しいということですよね。従来の基本の型に押し込めるのではなく、側弯がある分、それに対応した形であのような走りをされているわけです。

――持って生まれた体の機能も違う?
金近)それもあるでしょうけど、ただジュニアの頃の記録でいうとサニブラウン・アブデル・ハキーム選手の方が上なんですよ。素質だけでというよりは、それ以上に本当に自分に適したトレーニングを最高にやり、自分にあったパフォーマンスを最大限発揮できるフォームを身につけられたから、あのように凄い人になったんだろうと思いますね。漠然とですが。

――陸上をやっている選手にアドバイスすることもあるんですか?
金近)それはないです。選手としては現役から退いてだいぶ経ちますので技術的にはついていけないと思います。ただ、骨盤の位置など体幹の部分で「ここは気を使った方がいい」などのアドバイスはできるんだろうなとは思います。

■生活に根差したものを変えるお手伝いをしていきたい


――あらためて体幹が安定しなくなるとどんな不都合があるか教えて下さい。
金近)まず一つは姿勢が悪くなりやすい。そのことで腰痛や肩こり、膝の痛みなども出やすくなります。姿勢が歪むと内臓も圧迫されるので、内臓的な問題に発展することもあるでしょう。血液やリンパの流れも滞りやすくなりますから、冷えやむくみにも繋がってきます。あらゆる不定愁訴が姿勢に繋がってくる可能性があるのではないでしょうか。

――それで姿勢を直すために「コアトレ」を使うのですね。
金近)初診時に記入してもらっている用紙(カルテ)に「カイロプラクティックで他に改善したいことはありませんか?」という記入欄があります。そこには「姿勢」と書く方がとても多いです。姿勢は見た目でわかりやすいものですし、皆さん、想像以上に興味、関心が高い。でも「直したいけど自分ではどうしたらよいかわからない」という方が大半なんです。

――私たちの仕事は姿勢という面では特にお役に立てますね。最後に金近先生がいつも心掛けていることをお聞かせください。
金近)その方の生活に根差したものを変えるお手伝いが出来ればと思っています。結局治すのはご自身なんですよね。生活の中から積み重なってきて、それが姿勢の歪みや不調に繋がってくる。だからご自身で治せる力を身につけていただきたいなと。

――院に来て頂く方もそういう方に来ていただきたい?
金近)そうですね。ただお客様は症状があってこちらに「なんとかして欲しい」と言ってこられる方が大半。そのニーズにお応えするということも、もちろん大切にしています。

――今日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。3月のセミナーを楽しみにしております。

講師の金近先生へのインタビュー③/3月21日開催「コアトレによる姿勢改善セミナー」

■陸上競技から考える筋肉の質の違い


――金近先生はプライベートでは陸上競技の大会の審判もされているとのこと。
金近)はい。学生時代、短距離走(100m、200 m)をやっていた経験もあり、審判として参加することがあります。

――100m走といいますと、昨年は桐生祥秀選手が日本人史上初の9秒台を出しました。昔は「日本人には10秒の壁は越せない」と言われていたと記憶しているんですが、それが年々記録が更新され、ついにはメダルも不可能ではなくなった。どのような感じで見ておられますか?
金近)日本人に合った走り方が確立されてきたのでは、と思って見ています。日本人は欧米の選手とは筋肉の使い方といいますか、筋肉の質が違うと思うんです。例えば欧米の人は伸筋の方が強く、日本人は屈筋の方が強くなる傾向があるなど。

――西洋では狩猟で槍を使ったり、代々「押す」力を利用してきた。日本人は農耕民族なので身をかがめて作業することが多く、鍬などの道具で「引く」力を利用してきた。たから、例えば日本のノコギリは「引く」ときに切れるように作ってある。そんな説明を聞いたことがあります。
金近)そのような話があるように、そもそも筋肉の質が違うから、欧米人の走り方を参考にしてもなかなか日本人には合っていなかったのだと思うんです。そして日本人の体にあった走り方の研究が進んできた。桐生選手の前に日本記録をもっていた伊東浩司選手がその研究をされた走りではないかと思います。男子400mの日本記録保持者、高野進選手もそうですね。

■日本人に合うようにアレンジを


――日本人に合うかどうかが大切なんですね。
金近)運動指導のことで言えば、有吉先生も実は同じことを言っています。日本人に合ったやり方、形が必要なんだと。いろんな方法をくみ上げていって、昔は運動指導の世界でも割と欧米から入ってきたものをそのまま取り入れるという形だったそうです。しかしそれだと日本人には合わない。短期集中型エクササイズのビリーズブートキャンプもそうでしたね。「やはり日本人にあった形に仕上げていかないとダメだね」と仰っていました。

■一つ一つの動きをより正しくやる


――研究が進んで選手の走り方も変わってきたんでしょうね。
金近)理論自体だいぶ違うようです。昔は後ろに蹴るようにと言われていたのが、今は捕まえにいくなど。
審判として大きな大会からローカルな大会までいろいろ担当するんですが、例えば中学生の大会などを見ていると、昔からある練習をそのまま模倣している子が多いなと感じます。とくに考えずにやっているなと。効率よくという意味で「ここは変えた方が・・・」と内心思うこともあるんです。
動きというのは、これは「コアトレ」にも通じるんですが、ただ形をやればいいのではないんです。「一つ一つの動きをより正しくやる」。これを自分で考え身に着けていった子はすごく強くなるんじゃないかなと思いますね。

――走ることに理論も必要と。
金近)そうですね。学年ごとで理論の捉え方というのは違ってくるんでしょうけどね。自分が出来ていたかどうかは別にしてですが(笑)。

(次回のインタビュー④では、コアトレをおこなうメリット、整体と組み合わせて出来ることなどのお話をお届けします。)

講師の金近先生へのインタビュー②/3月21日開催「コアトレによる姿勢改善セミナー」

■「コアトレ」を試してみて


――体幹の強化というとピラティスが有名ですが、ピラティスとは違うんですか?
金近)違います。「コアトレ」はリセットという考え方が特徴的です。筋肉の「使い過ぎ」と「使わなさ過ぎ」を分けてアプローチをするところですね。

――筋のリセットはせずに再教育だけやるところは多い?
金近)ピラティスやスポーツジムで開催している体幹強化のクラスなどは基本的にはそういうところが多いと思います。

――金近先生自身も「コアトレ」をやってその効果を実感したとお聞きしました。
金近)有吉先生のところで学んで毎日の生活の中に取り入れました。腰痛はなくなりましたね。肩こりも気にならないです。体調の変化を感じています。

■整体に「コアトレ」を取り入れる


――筋の再教育というのは患者さんに運動指導をしていく形になるのだと思いますが、実際の施術の中で時間配分はどのようにされていますか?
金近)当院には主に「コアトレ」と「リセット」というコースがあります。トリガーポイントセラピー(TPT)を組み合わせるのが「リセット」コースで、こちらは60分の内、「TPT」「コアトレ」それぞれを30分でおこないます。何回かリピートしていただいて家でも「コアトレ」が出来るようになっていただくんです。やっている内にだんだん自己流になっていくことがありますから、その修正も入れたりしながら進めています。

――「コアトレ」の指導というのは皆同じベーシックなものをやるんですか? それとも個々違うもの?
金近)基本的には個々違うのですが、共通しているものもあります。例えば「正しい呼吸」。これは皆さんに指導し家でやってもらっています。

――胸式呼吸や腹式呼吸などのこと?
金近)きちんと筋肉の使い方を意識した呼吸という意味です。腹部には前に腹直筋、横に腹横筋がありますが、腹式呼吸というと腹直筋を使ってお腹をペコペコと動かす呼吸をやる方が多いんです。姿勢の安定のために必要なのは腹横筋の活性化。よって「お腹の横を意識した呼吸をしてください」などと指導します。

――難しそうですね。
金近)促通といいますけども、そこに手を添えて少し突ついてみたり、刺激を与えて活性化をはかりながら練習します。ご自宅でやってもらっているうちに「私ね、そこ動いたのよ!」という感想を下さる方も。繰り返していれば感覚はつかめるようになってくるんです。

――からだを変えていくのに呼吸は欠かせない?
金近)必須です。当院では、たいていどのコースでも呼吸についてアドバイスします。

――整体院で「コアトレ」を取り入れているところは珍しいのですか?
金近)そう思います。協会に学びに来ている方は運動指導のインストラクターの方が多く、他は医療関係では理学療法士の方です。整体で「コアトレ」を学んだのは協会側からいうと私がはじめてのようです。

(次回のインタビュー③では、陸上競技を例に、日本人の筋肉の質についてお話されている内容をお届けします。)