青山一丁目カイロプラクティック院 実践テクニックセミナー 「姿勢(背骨の歪み)から起こりやすい症状&施術2」 講師 山口博先生(青山一丁目カイロプラクティック院)
■姿勢について詳しくなれるセミナー
山口博先生は、一般社団法人「日本姿勢教育協会」理事を務めておられ、現在、姿勢教育塾、放送大学、早稲田大学オープンカレッジ(同)で「姿勢と健康」の講座を担当されています。
以下、セミナー冒頭の講義の様子をお届けします。
■医学の勉強をしていない方にもわかりやすく
青山一丁目カイロプラクティック院は姿勢を大切にしています。何故、大切かと申しますと、それは「背骨=姿勢」だからです。 背骨の中には大事な中枢神経である脊髄が通り、そこから末梢神経が出ていきますが、 私がいつも心掛けているのは、医学の勉強をしていない方にとっても、よくわかるように説明するということです。 このお仕事をされている皆さんも同じだと思います。
中枢神経と末梢神経について、私はこのようにお伝えしています。「木の幹」を中枢神経としたら「枝」が末梢神経です。あるいは、私の「からだ」が中枢神経ならば「腕」が末梢神経で、私の「服」は背骨です。
こうも例えられます。脳は「発電所」で、背骨の中を通る脊髄が「送電線」。背骨から出る末梢神経が家庭に入る「電線」で、筋肉が「家電製品」。PCやTV、エアコンなどが該当します。このように伝えるとイメージしやすいものです。
■姿勢が大切な理由
末梢神経を「ゴムホース」と考えてみましょう。背骨を構成する骨、上の骨で半分の円を、下の骨でもう半分の円を作ります。その出来た円からゴムホースは出ていきます。
もし、いつも背骨を捻じっていたり、片側を縮めてもう片側を伸ばしていたりするとどうなるでしょうか? 円はひしゃげてゴムホース、つまり末梢神経にも影響が及びます。
私たちのからだは、右に行けば背骨も右についていきます。左に行けば背骨も左にいきます。つまり「背骨=姿勢」なのです。だから姿勢が大事なのです。
■いつも背すじを伸ばしているのがよいの?
「よい姿勢が大事なのであれば、いつも背すじを伸ばしているのがよいのですか?」とのご質問を受けることがあります。
私はこうお答えしています。
「いつも背すじを伸ばしているのはかえってよくありません」 「なぜかと言いますと、私たちは動物ですから、動くものだからです」 「関節は動かさないと動きにくくなります。錆びつくというイメージです」 「筋肉も動かないと血流が悪くなります。新しい酸素と栄養を取り入れたり、乳酸や老廃物を出すことがやりにくくなり、疲労しやすくなるのです」
このように説明するとわかりやすいと思います。
■例外もある
テレビで著名な能楽師の方がこうおっしゃっていました。
「私は幼稚園の時から背筋を伸ばして字を書いたり、食事することを教わってきました」 「だから、いつも背筋を伸ばしているのが楽なんです」 「背中を丸めるとかえって疲れます」
例外的にこのような方もいらっしゃいます。ただ、通常はいつも背筋を伸ばして仕事、PCをしたり、食事をしたりしていると、かえって疲れてしまうことが多いものです。
■ポキッって、何によいの?
「ポキッって、何によいのですか?」との質問もあります。一般の方に関節包などと説明してもわからないですよね。背骨よりも、肘や膝の関節の方がイメージしやすいと思いますので、私は肘を使った説明をよくします。
「肘を伸ばそうとした時に、何かひっかかるような感じがして痛みがある。だけど、動かしている時にポキッと音が鳴った途端、楽になった」
そんな経験がありませんか?
こんなケースもあります。
「歩いていて、何か脚の付け根がおかしい。でも、動かしているうちにゴツッと音がすると楽になった」
■レントゲンには映らないわずかな歪み
これらはどういうことでしょうか?
つまり、レントゲンには映らないし病気でもない、わずかな歪みというものが関節にはあるのだということです。
それがポキッと矯正されたので楽になったのです。
音がなるにはもう一つ理由があります。正常な関節でも、ある範囲まで動くとポキッと音がすることがあります。両方あるということなんです。
肘に違和感があるようなことは、首・背中・腰にも起こることがあります。ひっかかりがとれず、その状態のまま使っていると周りの筋肉も疲労し血流が悪くなります。自分で動かす場合でも、無理をせずに音がパキッと出るのは大丈夫、とお伝えしています。
■姿勢が悪いのに凝らない4つの理由
「姿勢が悪いのに凝らない人がいますが、それは先生の理論と違いませんか?」
そんな質問もあります。これに対する答えですが、まず一つは、筋肉には質というものがあるということ。親からもらったものですね。疲れがたまりにくかったり、感じにくかったり、柔軟性がある場合もあります。
二つ目は、物凄い猫背なんだけれども、週に2~3回はジムにいって動かしているから凝らないという場合。このような方は結構いらっしゃいますね。
三つ目としては、神経学の先生が教育テレビで述べられていたことなのですが、神経というのも宇宙の星座と同じで星が沢山あるところと、少ない所、全然ないところがあると。比較的神経の少ない部分に乳酸や疲労物質が溜まりやすい方は、凝りを感じにくいと仰っておられました。
四つ目はこれが一番多いと思いますが、単に鈍感という場合もります。猫背で人から触られると痛いと感じるんですが、自分では何も感じないよという方ですね。
■姿勢がよいのに凝る人もいる
逆に姿勢がよいのに、よく肩が凝ったり頭痛がするという方もおります。理由としてはまず一つ目は動かしていない(運動していない)ということ。
それから二つ目ですが、筋肉というのは、硬くなる理由は使うことばかりではありません。精神的な緊張などでも凝ります。ある大企業にお勤めの秘書の方、姿勢はいいんですがとても凝っていらっしゃいました。お話を伺ったところ、その会社では役員さんが後ろの席にいて、秘書さんが前にいるというんですね。秘書の方はいつも役員さんの視線を背中に感じながら仕事をしていると。これは大変だなと思いました。
このように気を使うなどの場合でも筋肉は硬くなります。一番苦手な方と仕事をすると夕方には首が硬くなって頭痛がする、などというのも同じ理由ですね。
三つ目は、本人は姿勢がよいと思っているが実はそうじゃない、腰猫背というタイプの方。腰の部分だけが丸まる腰猫背は、モデルさんや背の高い方に多い姿勢です。立っている時は姿勢よく見えるのですが、座ると腰からストーンと丸まってしまいます。他人からは姿勢が悪いと言われたことがないので、ご自分ではよい姿勢と思っていまるんですね。
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