「ほんの少しの刺激を与えるだけの多次元操体法」
講師 大内和幸先生 (南福島整体院)
■地元の福島で開業
本日は現在、私が学ばせて頂いている「仙台やすらぎの杜整体院」の上川名おさむ先生が主宰されております「多次元操体法」の世界をお伝えしたいと思います。
私は大川学院を2004年4月に卒業しました。その年の9月に地元の福島市で開業し今年で12年目になります。
今でも憶えていますが、在学中に大川先生から「いろいろと修行したり、経験を積んでからではなく、いつまでも勉強していないで開業してください」という話を頂いたんです。その言葉があったので私は卒業してすぐに開業しました。
その後にいろいろな勉強をして12年になりますけれども、いまだにセミナーなどに出させていただいています。あの時の大川先生の言葉がなかったら「腕に自信がついてから開業しよう」と考えたと思うんですが、この大川先生の言葉に助けられて開業しよかったと今は思っております。
■本日の内容
操体法とはどのようなものか説明いたします。
基礎の操体をおこなう上で役立つワークもやります。「これだけでも体が変化する」ということを体験していただきます。
操体が熟練すると体が自ずからアクロバットにグーッと気持ちよさを味わって動いていくんですが、感覚が磨かれないと、まずあのようには動きません。よって今日はそのようなことはやらず「ちょっとのことでこれだけ体が変わるんだ」ということをやってみたいと思います。
その後「院内の空間がよくなるしくみ」という自分がやっていることをご紹介させていただきます。患者さんが来院された時に「もの凄くいい空間ですね」「癒される空間ですね」と言っていただけています。
■操体法の動診「腕上げ検査」
からだの動きを施術者と患者さんとが共有することが大切です。
施術後に「腕が挙がるようになった」ということをビフォーアフターとして再度確認します。挙がりやすくなれば患者さんは満足されます。
「〇〇さん、自分と同じくらいの力で上まで横から腕を挙げていって下さい」
「自分に手に伝わってくる感覚でもここで硬くなって止まります」
「〇〇さんもここからは上に挙げづらいという感覚はないですか?」
「ギューッと強く挙げれば挙がるんですけれども、自分の手の感覚ですと今のところで止まってしまいます」
「これを患者さんと共有していただきます」
■どの体勢が一番楽か
「脚を伸ばした状態で体はどこか辛くないですか?」
操体をおこなう上では「どの体勢が一番楽か」を重要視します。「肩が痛い」「腰が辛い」という状態でおこなうとからだの変化は出にくくなります。
「横向きが楽なのか」「うつ伏せが楽か」それとも「脚を伸ばしているのが楽なのか」「曲げた方が楽か」楽な状態から操法をおこなうのが基本です。
■バランスが大切
人間のからだはまったくの左右対称でなくていいんですが、左右対称に近い方が動きもよりよいと考えます。
「右に倒します」
「〇〇さん、きつさはありますか?」
「あります」
「どの辺がきついですか?」
「左の腰あたりです」
「次に左に倒します」
「こちらはどうでしょうか?」
「こっちの方が楽です」
患者さんと動きの状態を共有します。この時、施術者は「どちらに倒しやすいか」「倒しにくいか」を手の感覚でもつかんでおくようにします。
■からだ全体を整えていった結果として部分がよくなる
患部、悪いところはいったん脇に置いておきます。
からだ全体を整えていった結果として部分がよくなるということをやります。
下の方から攻めていきます。足は人間の土台ですので足の方から徐々にとっていって、それでも取り切れない場合は患部に直接いくという流れです。まったく患部に触らない場合もあります。
操体法とは「患者さん自身が気持ちよく感じられる刺激を味わう」ことで「 痛みや体の歪みが解消する」という不思議な療法です。
■参加された皆様の感想
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- 教えて頂く内容、特に細かいポイントが凝縮されていて勉強になりました。講義も深すぎずわかりやすくお伝えしていて勉強になりました。またお願いします。
- 話もわかりやすく面白かったです。先生の一生けん命に伝えて下さる熱意まで伝わり大変勉強になりました。自分(術者)が治すのではない、クライアントの自然治癒力で治る。整体で人生が変わる・・・!奥深い世界なんだとあらためて感じました。
- 最近手技にこだわっていたのですがやっぱりこれかなーと思っています。今日のエネルギーヒーリング、この言葉は自分がカイロから今日までつきつめてきて感じていたものです。本当にこの勉強はありがたいです。
- とても楽しく分かり易く先生の人柄が良く出ていたセミナーでした。もっと練習して患者さんに寄り添いながら施術家としてやっていけたらと思えました。
- ますます操体法に興味を持ちました。
- 初めての療法で新鮮でした。結果の出方にオドロキました。
- 理屈ではない技術だとは思いますが、変化をすぐに実感できました。少しずつとり入れて患者さんに喜んでもらいたいと思います。
- 以前操体法を習ったのですが、自分の体の変化がわかりづらかったのですが、大内先生は説明もわかりやすく変化を感じることが出来ました。セミナーに参加してよかったです。ありがとうございました。
- 実技中心で良かった。
- nice!
■セミナー後の大内先生からのメッセージ
――今回のセミナーは、北は青森県から南は愛媛県まで、 日本全国からたくさんの方がご来場されました。 喜びの声も多くいただきました、セミナーを終えて、 現在のお気持ちはいかがですか?
大内)「あ~、終わったな~」というのが実際の感想です。お伝えしたかったことが上手くお伝え出来たのか? 皆様のなかに1つでも心に届いたのか? 私のいまの拙い伝達力なかでも全力を注いだつもりです。
また後半、時間が押してしまい楽しみにしていただいていた手技や考えていた内容が出来なかったことが悔やまれます。
――「そのままでいいんですよ」という大内先生の一言がきっかけで 表情も体調もみちがえるほどよくなったという 女性のクライアントさんの実例のお話がありました。「心」と「 からだ」の密接な関係をあらためて感じました。からだは正直で、 抑えているつもりでも 心の無理はいずれどこかにひずみとなってあらわれるということで しょうか?
大内)痛みや病気などは「何かが間違っていますよ」という体からのサインだと思うのです。「息・食・動・想」の橋本先生の考えもお話させていただきましたが、その中のどれか一つが十分だから健康だというわけではなく、互いに相関しているということですね。
上記の女性は「頑張らなくちゃ、頑張らなくちゃ、もっと頑張らなくちゃ」と自分を追い込んでいた思いが「そんなに頑張らなくていいんだよ」と体に痛みとしてサインを送っていたのではないかと思うのです。
操体法で心地よさを味わって「頑張らなくていいんだ、頑張っているのだからそのままでいいんだ」と気づいたときに「カラダさんがわかってくれた」とカラダの痛みから解放されたのではないかと思います。
――「やさしく触れるだけで、からだは変化する」。 大内先生はその点はほんとうに徹底されていると感じました。「 触れ方」については、大川学院のインターンの時、安藤崇先生からも教わったと伺いしました。 基礎の部分で学院はちゃんとお役に立てているのですね。
大内)在学中に安藤先生からはとても教わることが多かったのです。そのときに触れ方の大切さを教えていただきました。「やさしく触れるだけでもヒトのカラダは変わっていく」ということを、その時から実感していました。また大川学院での基礎が現在の臨床でも生きていることは言うまでもありません。(^^♪
このたびは大川先生、事務局の小梨先生には大変お世話になりました。またたくさんの先生方に参加していただいて、とても嬉しく感謝申し上げます。