2014年9月15日(月・祝)開催

「解剖学をいかに臨床に結びつけるか」
“肩関節、膝関節の解剖学および可動域改善法”
講師 永見敏幸先生(柔道整復師)

はじめて学院でセミナー講師を担当します。当日は解剖学を中心に講義をさせて頂きますが、自己紹介も含めその見所を紹介いたします。

日本カイロプラクティック医学協会(JACM)主催セミナー 「解剖学をいかに臨床に結びつけるか」 "肩関節、膝関節の解剖学および可動域改善法"
基礎の大切さを説く永見先生

■椎間板ヘルニアをきっかけに


私は元々音楽関係の仕事をしたいと考えていました。高校卒業後は音響関係の学校に進んだものの、当時は体のことについては興味はなく、この世界に入ることなど全く想像しておりませんでした。
ところがある日、腰を痛め病院を受診したところ、椎間板ヘルニアと診断されてしまいました。腰痛は何処へ行ってもよくならず、たまたま紹介されて行った接骨院で改善しました。丁度、整体が世の中に浸透し始めた頃です。「自分も」と軽い気持ちで整体を習い始めたのが、この世界に進むきっかけとなりました。

■解剖学をやり直そうと決意


整体のスクール卒業後は技術が落ちないようにと、会社が休みの日に整形外科でマッサージのアルバイトを始めました。しかし、他のスタッフと同じ手技をおこなっても患者さんの反応が違う事に戸惑いを感じるようになりました。外傷処置をしている柔道整復師の先生を見て刺激を受け、資格を取る決意。柔道整復の専門学校に通うこととなりました。
勉強は大変とわかって望んだものの、解剖学だけはどうしても避けたくて逃げてばかりいました。しかし解剖学がわからなければ先へは進めません。次第に追い込まれていった私は「もう一度解剖学をやり直そう」と思い直しました。

■基礎を固める大切さ


特に重要な骨格系、筋肉の「起始、停止、作用、支配神経」は、一日一つずつ確実に憶えるようにしました。それができたら次は「いかに臨床に結びつけるか」です。
例えば肩を動かして痛い場合、「どういう動きで痛みが出て」「どういう動きで痛みが出ないのか」、「痛みが出た動作に関する筋肉は何か」理論立てて取り組むようにしたのです。
このような憶え方をしたお陰で知識を臨床に活かしやすくなり、予想以上の施術効果を出せるようにもなりました。あらためて基礎を固める大切さを実感したものです。基礎が身についていれば、多少難しい技術や理論に遭遇したとしても習得しやいと思います。応用を考える事も出来るようになるものです。

日本カイロプラクティック医学協会(JACM)主催セミナー 「解剖学をいかに臨床に結びつけるか」 "肩関節、膝関節の解剖学および可動域改善法"
当日は上肢・下肢についての講義がおこなわれる

■プロとアマチュアの違い


さて、話しは少しずれますが、皆さんは「プロとアマチュアの違いを説明して下さいと」言われたらどう答えますか?
かつて私がミュージシャンを目指していた時、尊敬する方から次のように教えてもらいました。

 「プロは基本に忠実で、アマチュアはテクニックばかりこだわる」

同じ演奏でも基礎がしっかり出来ているミュージシャンと、そうでないミュージシャンとでは音の厚みが違うそうです。聴く人が聴けばわかるとの事でした。これは医学でも同じだと思っています。

■学科は常に学ばないと忘れてしまう


以前の私は基礎医学よりも技術という考えでした。私達は技術で食べていますから、腕を磨くのは当たり前。しかし、技術というのは毎日現場で使っていれば仮に上達はしなくても質が大きく落ちることはそうありません。しかし学科は常に学んでいないと忘れてしまいます。忘れる事の怖さを知った私は今でも解剖学だけは常に復習するよう努めています。
今回のセミナーでは、上・下肢をテーマとして、解剖学を通した現場で遭遇する症状について講義します。例えば、腕や足の痺れは首、腰だけが原因とは限りません。通常行っている何気ない手技が実は効果が大きかった、ということもあるものです。これらを確認しながら講義を進めていきます。

■内容


【肩関節】
神経・血管の走行、骨、筋について
肩関節の特徴
肩関節の疾患
可動域改善の方法/インナーマッスルへのアプローチ、ゼロポジションを使うほか
【膝関節】
関節の構造
膝の痛みと原因について
可動域改善の方法/ 腸脛靭帯、大腿二頭筋へのアプローチ

プロフィール


講師 永見敏幸先生(柔道整復師)
S45年生まれ。さいたま市在中
H14 南浦和整体学院卒業
H16 ミュウボディフットセラピースクール カイロプラクティック科卒業
H20 さいたま柔整専門学校卒業
H20  柔道整復師免許取得
現在、整形外科内科に勤務

【講義歴】
大手スクール等で病理学、解剖学、生理学、整形外科学の講義を担当