姿勢矯正(スタッフ研修・トレーニングセンターの講義)

直営院に就職されたスタッフの皆さんは、毎週開催されるトレーニングセンター(社員研修)に働きながら参加し、基礎から応用まで、スキルを学んでレベルアップしていくことができます。研修は業務の一環のため無料です。
今年は新しい試みもおこなわれています。 施術歴11年、延べ2万人のお客様を担当されてきた松田映二院長(大川カイロプラクティックセンターうらやす整体院)の講師就任です。毎月好評の松田院長の講義、6月は「姿勢矯正」「O脚矯正」をテーマとして開催。講義の様子をお届けします。


■姿勢を直すには「骨盤を立てる」こと


座っている時の姿勢の直し方ですが、私はよく「骨盤を立ててください」と説明しています。これが骨盤を立てた状態です。骨盤が前に倒れるのが骨盤の前傾、後ろに倒れるのが骨盤の後傾。悪い姿勢になっている時は、たいてい骨盤は後傾しています。

脊柱模型を使って坐位の姿勢を説明する松田院長(うらやす整体院)
悪い姿勢の時はたいてい骨盤は後傾している

骨盤が後ろに倒れると、その上にのっている腰椎も同じように後ろに倒れて丸まります(腰椎の屈曲)。それを上半身が前方に傾いて全体的に丸くなることでバランスを保ちます。
丸まった姿勢(スラウチ姿勢)を直すためには、骨盤を立てて、坐骨で体重を支えるようにすることが必要です。

よい姿勢で座るには骨盤を立てて坐骨で体重を支えるようにする

■デスクワークではどうしても丸まりがち


骨盤を立てると、立位と同じ腰の反り(腰椎伸展位)が保てます。このまま背中を丸めず姿勢を維持すればいいのですが、デスクワークをしているとどうしても仕事が第一となって、姿勢のことはすっかり忘れてしまう時間も多いと思います。
作業する時は手を前に出しますから、肩甲骨も同じように前に移動(肩甲骨の外転)します。背中は丸まって顔も下を向きやすくなります。仕事がしやすくなる体勢です。どうしてもデスクワークでは姿勢は丸まりがちになってしまうのです。

丸まった姿勢では肩甲骨も前に移動する

■簡単な体操でからだの柔軟性を取り戻す


ですから、デスクワークをされる方には「これだけは気をつけてみてください」と言って簡単な体操をお教えしています。からだの柔軟性を取り戻せばまたよい姿勢が維持しやすくなるからです。
肩甲骨が前に移動した姿勢は、首の動きも制限します。試しにその姿勢で上(天井)を向いてみてください。向きづらいと思います。胸椎の動きがロックされて頸椎だけで上を向こうとするから向きづらいのです。
体操は座ったまま出来ます。1時間に1回くらい、リフレッシュ、リセットするような感じでおこなってもらっています。

■肩甲骨を引いて寄せる体操


体操の仕方を説明します。
「手を後ろにもっていき肩甲骨を内側に寄せます」
「(背もたれがあれば)体重を後ろに寄せ、頭を後ろに引きます」
「ゆっくり頭を後ろに倒していきます」
前に行くことが多い肩甲骨をこの体操で後ろに引くのです。
すると、丸まった背中、胸椎は反りやすくなり、上を向く時も頸椎と胸椎が協力して動きますから楽に向けるようになります。この体操をデスクワークの方や肩コリがある方にお勧めしています。

前に移動した肩甲骨を後ろに引き寄せる体操
この体操は猫背改善に効果的な体操「キャットレッチ」と呼ばれる。当協会では以前セミナー講師として碓田拓磨先生(早稲田大学非常勤講師、虎ノ門カイロプラクティック院院長)にお越しいただいたことがあり、参加者の方にご指導いただいた。

■参加された皆様の感想


・現場に入って結構経ちますが、O脚施術でなかなか結果が出ていないことがあり、今回そのテーマの勉強会ということではじめて参加させていただきました。O脚施術に関してはまさに昔、大川学院で習ったチュービングを、うらやす院ではどのように巻いているのか、また、具体的な来院回数なども知ることが出来て大変参考になりました。さっそく現場で活用していきたいと思います。また、立ち方、座り方のチェック方法や女性のお客様に多い外反母趾の歩き方の癖なども教えていただけたこともよかったです。(Sさん 男性)

・松田院長の講義に初めて参加致しました。姿勢矯正の講義では1人1人正しい姿勢の調整方法や歩き方、どのように患者様にお伝えするかなど細かく指導して頂けました。正しい姿勢を再確認できた講義でした。まだ担当の患者様を持っていませんが、今のうちに勉強をしていく事で現場に出た時に自信を持って対応出来ると思います。松田院長が『年間筋肉は1%落ちるので、30年経てば30%落ちる』とおっしゃっていました。R2(リラクゼーション)をしながらお客様に筋力を保つ必要性もお伝えしています。これからも松田院長の講義に出られる時は参加し、スキルアップを目指します。(Mさん 女性)

・学院の授業では習わなかった立ち姿勢や歩き方のチェックに関して、特に興味深くセミナーに参加させて頂きました。松田院長のお客様に対する説明を聞き、なるほど~と感じる部分が多々ありました。現場では、お客様にただ説明をすれば良いわけではありません。内容は分かりやすく簡潔で、納得していただけるものでなければならない。お客様に行動に移してもらうための説明だからです。講義の内容は実践ですぐに使えるものばかりでした。ドンドン使ってスキルアップしていきたいと思います。(Tさん 男性)