講師の金近先生へのインタビュー③/3月21日開催「コアトレによる姿勢改善セミナー」

■陸上競技から考える筋肉の質の違い


――金近先生はプライベートでは陸上競技の大会の審判もされているとのこと。
金近)はい。学生時代、短距離走(100m、200 m)をやっていた経験もあり、審判として参加することがあります。

――100m走といいますと、昨年は桐生祥秀選手が日本人史上初の9秒台を出しました。昔は「日本人には10秒の壁は越せない」と言われていたと記憶しているんですが、それが年々記録が更新され、ついにはメダルも不可能ではなくなった。どのような感じで見ておられますか?
金近)日本人に合った走り方が確立されてきたのでは、と思って見ています。日本人は欧米の選手とは筋肉の使い方といいますか、筋肉の質が違うと思うんです。例えば欧米の人は伸筋の方が強く、日本人は屈筋の方が強くなる傾向があるなど。

――西洋では狩猟で槍を使ったり、代々「押す」力を利用してきた。日本人は農耕民族なので身をかがめて作業することが多く、鍬などの道具で「引く」力を利用してきた。たから、例えば日本のノコギリは「引く」ときに切れるように作ってある。そんな説明を聞いたことがあります。
金近)そのような話があるように、そもそも筋肉の質が違うから、欧米人の走り方を参考にしてもなかなか日本人には合っていなかったのだと思うんです。そして日本人の体にあった走り方の研究が進んできた。桐生選手の前に日本記録をもっていた伊東浩司選手がその研究をされた走りではないかと思います。男子400mの日本記録保持者、高野進選手もそうですね。

■日本人に合うようにアレンジを


――日本人に合うかどうかが大切なんですね。
金近)運動指導のことで言えば、有吉先生も実は同じことを言っています。日本人に合ったやり方、形が必要なんだと。いろんな方法をくみ上げていって、昔は運動指導の世界でも割と欧米から入ってきたものをそのまま取り入れるという形だったそうです。しかしそれだと日本人には合わない。短期集中型エクササイズのビリーズブートキャンプもそうでしたね。「やはり日本人にあった形に仕上げていかないとダメだね」と仰っていました。

■一つ一つの動きをより正しくやる


――研究が進んで選手の走り方も変わってきたんでしょうね。
金近)理論自体だいぶ違うようです。昔は後ろに蹴るようにと言われていたのが、今は捕まえにいくなど。
審判として大きな大会からローカルな大会までいろいろ担当するんですが、例えば中学生の大会などを見ていると、昔からある練習をそのまま模倣している子が多いなと感じます。とくに考えずにやっているなと。効率よくという意味で「ここは変えた方が・・・」と内心思うこともあるんです。
動きというのは、これは「コアトレ」にも通じるんですが、ただ形をやればいいのではないんです。「一つ一つの動きをより正しくやる」。これを自分で考え身に着けていった子はすごく強くなるんじゃないかなと思いますね。

――走ることに理論も必要と。
金近)そうですね。学年ごとで理論の捉え方というのは違ってくるんでしょうけどね。自分が出来ていたかどうかは別にしてですが(笑)。

(次回のインタビュー④では、コアトレをおこなうメリット、整体と組み合わせて出来ることなどのお話をお届けします。)