セミナー前の安藤院長へのインタビュー②/2017年10月9日開催「カラダの使い方を深める!」

■「緊張し続けないこと」が重要


――システマは、究極的には「非常事態でも平常心を保てるようにするメソッドである」と聞いたことがあります。

安藤)そこまでの強いストレスですと、実際その場になってみないとわからないですが、ただ、システマの考えとしては緊張してはいけないということではないんですよ。何かあったら人は緊張するのが当たり前の現象なんです。「緊張し続けないこと」が重要で、「なるべく早くその緊張から普通の状態へ回復」していく。その訓練をするのがシステマなんです。

――なるほど。例えば心身症といいますか、心から体に症状が出ていると推測される方がおられた場合、これらは活用していけるものでしょうか。

安藤)心を変えるというのは私たちの仕事ではないし、なかなか難しいことです。でも、体の方から入ってあげて、結果的に心が少しゆとりをもてる状態になり、よい雰囲気でお話も出来るようになることがあります。まずは「落ち着いて」もらうこと。そして自分を見つめ直せるような状況を作ってあげるというか、一緒に作るということですね。

■「なかなか症状がよくならない」理由


――そのような患者さんに対してテクニックだけを追い求めても無理がある?

安藤)意識せず自然によい方向にいっていることもあるんです。施術のお陰で深くリラックスできて、患者さんも気がついたら心が楽になっていたと。手技だけでなく、施術者がよい言葉かけ、対応をし、それがよい結果に繋がっていることも実は多い。無意識におこなって効果を発揮しているわけですから、こちらがきちんとわかったうえでおこなえば尚更よいのかなと。

――沢山の患者さんをよくしていかれる先生というのは、その辺りが自然と出来ているんでしょうかね。

安藤)新人のスタッフさんでも意外と出来ている人がいるんですよ。R2(慰安操作)に入ったところ、患者さんがとてもリラックスされ、ぐんぐんよい方向に向かっていく。気がつかないうちに癒してくれる、そんな状況が作れればお互いよいと思いますね。
心身症という言葉が出ましたけれども、心身症に対しても今回はお話をしようと考えています。森田療法、認知行動療法、最近勉強したアドラー心理学など。私は専門家ではないんですが、これらを頭に入れておく、知っておくと役に立つよということです。突っ込んで勉強したければ専門のところに行った方がいいんだけれども、ちょっとした紹介ということですね。
心と体は切っても切り離せません。実際、十何年この仕事をやっていて、ご来院される方の多くは「心から体へ」という部分を含みます。それを表立っては言わないけれども、背景には何かあるのかなということを頭に入れながらやっていかなければならない。「なかなか症状がよくならない」という悩みは、そこも見ないといけないわけです。手だけでなんとかしよう、物理的、器質的なもので改善しようとしても、そこじゃないんですよね。見方を少し変えてみるといいのかなと思います。

■入り口の部分で私たちはお役に立てる


――今年の7月に開催した「多次元操体法」、大内先生のセミナーもご覧になられたそうですね。

安藤)ビデオで見させていただきましたが、面白いなと。自分の言いたいことの何割かがすでに入っていたので、セミナーでは重なってしまう部分があるかもしれません。私は操体法は使わないのですが、考え方としてはすごくいいなと思いましたね。

――結局「よくしていこう」と思えば、最終的には同じところにたどり着く?

安藤)そうなんですよ。森田療法や行動認知療法、アドラー心理学も結局似てくるんです。仏教もそう。人間が悩みから抜け出したい時にいろいろ考えるわけですから。専門家が見たら違うと言うと思いますが、一般の人からみればそんなに変わりはないのかなと。その手法がいろいろあるということですね、
一つ言えるのは、心の問題がサインとして体に出やすい人は、私たちのようなところがお役に立てるということです。神経症や心身症、本当にその入り口の部分ですよね。深いところに入ってしまうと、それはもう逆に触れない方がいい。病院で治療してもらうしかないんだけれども、ご来院される方の多くは、その入り口というか、体にサインが出ているよ、くらいの方たちです。
手技で症状を楽にして差し上げて、その中で自分自身との、また、自分のからだとの向き合い方をいっしょに考えてあげる。それは非常によいと思いますね。良好な人間関係にもなって長いお付き合いになることも多いんです。本来なら職場の人間関係や家族の中で解決できることも多いんでしょうけれども、なかなかそこがうまく出来ていないわけですから。私たちの仕事が一つのきっかけになればということです。

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